陶磁器
信楽焼
しがらきやき
滋賀県甲賀市信楽で生産される陶器。日本六古窯の一つで素朴な土味が特徴。
History
歴史
信楽焼は滋賀県甲賀市信楽町を中心に生産される陶器で、日本六古窯の一つに数えられる。その起源は鎌倉時代中期(13世紀)に遡り、当初は壺や甕などの大物の日用雑器を生産していた。室町時代後期から桃山時代にかけて、侘び茶の発展とともに茶陶として高く評価されるようになり、茶碗や花入、水指などが珍重された。江戸時代には火鉢や植木鉢など多様な製品を生み出し、昭和以降は狸の置物で全国的に知られるようになった。昭和51年に伝統的工芸品に指定されている。
Technique
技法
信楽焼は古琵琶湖層の良質な陶土を使用し、長石の粒を含む粗い土味が特徴である。成形は轆轤挽き、手捻り、タタラ作りなど多様な技法が用いられる。伝統的な焼成は穴窯や登り窯で行い、約1250度の高温で長時間焼成する。薪の灰が器に降りかかって自然釉(ビードロ釉)となり、赤褐色の焦げや灰かぶりの景色を生む。火色と呼ばれる赤みを帯びた素地の色合いも信楽焼の見どころである。現在ではガス窯や電気窯も使用され、食器から建築用タイルまで幅広い製品が生産されている。
Process
制作工程
全7工程
- 1
土採取
古琵琶湖層から長石の粒を含む粗い良質な陶土を掘り出して採取し、信楽焼特有の土味を持つ原土を確保する
- 2
土練り
採取した陶土を水簸・陳腐させて粘りを引き出した後、菊練りで十分に練り込んで内部の気泡を除去する
- 3
成形
轆轤挽き・手捻り・タタラ作りなどの多様な技法を用い、花器や食器など用途に応じた形に成形する
- 4
乾燥
成形した器を日陰に置いてゆっくりと乾燥させ、素地全体の収縮を均一にしてひび割れの発生を防ぐ
- 5
窯詰め
穴窯や登り窯に一つずつ作品を詰め、灰かぶりや火色の出方を十分に考慮して配置場所を決める
- 6
焼成
約1250度の高温で長時間焼成し、薪の灰が自然釉となり火色や焦げの景色を生み出す
- 7
窯出し
窯を数日かけて徐々に冷却した後に作品を取り出し、ビードロ釉や窯変による独特の景色を確認して仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
奥田 宗伯
伝統工芸士
宗伯窯
滋賀県甲賀市信楽町に生まれ、日本六古窯の一つである信楽焼の道に進む。穴窯による自然釉の焼成を得意とし、四十五年にわたり大壺や花器を中心に制作を続けてきた。信楽焼の素朴で力強い土味を最大限に活かした作風で知られる。
制作哲学
信楽の土は温かく、大らかである。その土の声に従い、作為を捨てて窯に委ねることが私の仕事である。
“窯から出した作品に自分の想像を超えた景色が現れた瞬間、陶芸家として生きていて良かったと心から思います。
杉本 蓮
若手作家
杉本造形工房
大阪府出身。大学で彫刻を学んだ後、信楽の陶芸の森でのレジデンスプログラムをきっかけに信楽焼の世界に入った。信楽の粗い土味を活かしたオブジェや大型の花器を制作し、国内外のアートフェアに出展している。伝統的な狸の置物を現代アートとして再解釈した作品も話題を呼んでいる。
制作哲学
信楽の土が持つプリミティブな力強さを、現代美術の文脈で表現したい。
“信楽の土を触ると、何万年もの地層の時間が手のひらに伝わってきます。
FAQ
よくある質問
信楽焼とは何ですか?▼
滋賀県甲賀市信楽で生産される陶器。日本六古窯の一つで素朴な土味が特徴。
信楽焼の産地はどこですか?▼
信楽焼は滋賀県で生産されている陶磁器です。
信楽焼の技法・特徴は?▼
信楽焼は古琵琶湖層の良質な陶土を使用し、長石の粒を含む粗い土味が特徴である。成形は轆轤挽き、手捻り、タタラ作りなど多様な技法が用いられる。伝統的な焼成は穴窯や登り窯で行い、約1250度の高温で長時間焼成する。薪の灰が器に降りかかって自然釉(ビードロ釉)となり、赤褐色の焦げや灰かぶりの景色を生む。火色と呼ばれる赤みを帯びた素地の色合いも信楽焼の見どころである。現在ではガス窯や電気窯も使用され、食器から建築用タイルまで幅広い製品が生産されている。
信楽焼はどこで購入・体験できますか?▼
滋賀県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。滋賀県の工芸品については滋賀県の伝統工芸品一覧もご覧ください。