白磁に赤・青・緑・黄・金などで華やかな絵付けを施す磁器。日本で初めて磁器の製造に成功した産地として知られる。
Philosophy
哲学
400年の歴史を持つ有田焼は、白磁の美しさと藍の染付という「引き算の美学」を極めた磁器です。余白を活かし、必要最小限の線で美を表現する——それは日本文化に通底する「間(ま)」の美意識と共鳴します。日々の食卓で使われることで完成する、まさに「用の美」の器です。
History
歴史
1616年に朝鮮人陶工・李参平が泉山で磁器の原料となる陶石を発見したのが始まり。江戸時代にはオランダ東インド会社を通じてヨーロッパへ輸出され、マイセン磁器にも影響を与えた。
Technique
技法
天草陶石を主原料とし、成形後に素焼き・下絵付け・施釉・本焼き(約1300度)を経る。上絵付けでは赤・金などを用いて華やかな文様を描き、再度低温で焼成する。
Gallery
ギャラリー
Process
制作工程
全8工程
- 1
原料調合
天草陶石を主原料として砕き、水簸と精製を何度も繰り返して純白で緻密な有田焼用の磁器土を調合する
- 2
成形
轆轤挽きや型成形で器の形を作り、十分に乾燥させた後にカンナで削って薄く均一な厚みに仕上げる
- 3
素焼き
十分に乾燥させた素地を約900度で素焼きし、呉須による下絵付けに適した吸水性を素地に持たせる
- 4
下絵付け
呉須を用いて筆で繊細な文様を素焼きした素地に一筆一筆丁寧に描き、藍色に発色する下絵を施す
- 5
施釉
下絵付けした素地に透明釉を均一に掛け、本焼き後に現れる光沢と文様の鮮やかな発色を準備する
- 6
本焼き
約1300度の高温で本焼きし、磁器の緻密な素地と透明感のある釉薬の光沢を実現する
- 7
上絵付け
赤・金・緑などの色鮮やかな上絵具で華やかな文様を本焼き済みの器の上に一つずつ精密に描き加える
- 8
上絵焼成
約800度の低温で再度焼成し、上絵具を定着させて色鮮やかな有田焼の装飾を完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
酒井田 正義
伝統工芸士
正義窯
佐賀県有田町に生まれ、有田焼の絵付け師として五十年のキャリアを持つ。染付・赤絵・金襴手など有田焼の伝統的な加飾技法すべてに精通し、特に染付の呉須による濃淡の表現に卓越した技術を持つ。有田陶器市の実行委員も長年務め、有田焼の普及に貢献してきた。
制作哲学
四百年の歴史を持つ有田焼の技と美意識を、一筆一筆に込めて次の世代へ繋いでいくことが使命である。
“呉須の一筆に、有田四百年の歴史の重みを感じながら描いています。
深川 理沙
若手作家
深川陶苑
佐賀県出身。有田窯業大学校を卒業後、有田焼の窯元で絵付けの修業を積んだ。伝統的な有田焼の技法をベースに、北欧デザインの影響を受けたモダンなパターンの食器を制作している。海外のデザインフェアにも出展し、有田焼の国際的な認知度向上に貢献している。
制作哲学
有田焼の精緻な技術を武器に、世界のテーブルに届く器を作りたい。
“有田の技術があれば、世界のどんなデザインも実現できると信じています。
FAQ
よくある質問
有田焼とは何ですか?▼
白磁に赤・青・緑・黄・金などで華やかな絵付けを施す磁器。日本で初めて磁器の製造に成功した産地として知られる。
有田焼の産地はどこですか?▼
有田焼は佐賀県西松浦郡有田町で生産されている陶磁器です。1977年に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。
有田焼の技法・特徴は?▼
天草陶石を主原料とし、成形後に素焼き・下絵付け・施釉・本焼き(約1300度)を経る。上絵付けでは赤・金などを用いて華やかな文様を描き、再度低温で焼成する。
有田焼はどこで購入・体験できますか?▼
佐賀県西松浦郡有田町の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。佐賀県の工芸品については佐賀県の伝統工芸品一覧もご覧ください。