木工品・竹工品
高山茶筌
たかやまちゃせん
奈良県生駒市高山で生産される茶道具。一本の竹から削り出す茶筌の国内最大産地。
History
歴史
高山茶筌は奈良県生駒市高山地区で製作される茶道用の茶筌で、室町時代中期の長享年間(1487〜1489年)に高山城主・鷹山頼栄の次男・宗砌が、親交のあった村田珠光の依頼を受けて茶筌を考案したのが始まりとされる。以来、高山の鷹山家が門外不出の秘伝として一子相伝で技術を守り続けた。明治以降に技術が一般に開放され、高山地区全体で茶筌の生産が行われるようになった。現在は日本の茶筌生産量の約九割を占める。1999年に国の伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
高山茶筌は淡竹を主な材料とし、一本の竹から一つの茶筌を削り出す。まず竹を適切な長さに切り、外皮を残した状態で先端を細かく割り、穂と呼ばれる薄い竹片を作る。穂の数は茶筌の種類により16本から120本まで様々で、流派によって異なる。穂を小刀で一本ずつ薄く削り、先端を内側に丸くカーブさせる「面取り」の工程が仕上がりの美しさと機能性を左右する。最後に糸で穂を編み上げて形を整える。全工程は手作業で行われ、一つの茶筌に約八十の工程を要する精緻な手仕事である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
竹選別
良質な淡竹を選び、茶筌に適した太さと節の間隔を持つ部分を切り出して材料とする
- 2
片木作り
竹の先端部を外皮を残しながら内側から縦に細かく割り、穂となる薄い竹片を作り出す
- 3
小割り
割り出した穂を小刀でさらに細かく裂き、流派に応じた十六本から百二十本の穂数に揃える
- 4
味削り
一本一本の穂を小刀で薄く削り込み、しなやかに茶を点てられる厚みと弾力を持たせる
- 5
面取り
穂の先端を内側に丸くカーブさせるように削り、茶碗を傷つけず泡立ちの良い形状に仕上げる
- 6
糸編み
穂の根元を色糸で交互に編み上げ、内穂と外穂を分けながら茶筌の形を美しく固定する
- 7
仕上げ
編み上がった茶筌全体の穂先の開き具合を調整し、形を整えて使いやすい茶筌に完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
久保 左衛門
伝統工芸士
久保茶筌堂
1944年奈良県生駒市高山町生まれ。室町時代から続くとされる高山茶筌の伝統を受け継ぐ茶筌師。16歳から竹を割り、穂を削る修業を始め、70年以上にわたり一筋に茶筌を作り続けている。表千家、裏千家、武者小路千家それぞれの流派に合わせた茶筌を製作できる数少ない職人。
制作哲学
茶筌は茶の湯の心を点てる道具。一碗の茶に込める亭主の想いを、穂先の一本一本で支える。
“茶筌は消耗品と言われるが、一本一本に職人の魂が宿っている。
谷口 花音
若手茶筌師
1997年奈良県奈良市生まれ。茶道を嗜む母の影響で幼い頃から茶の湯に親しみ、高山茶筌の繊細な美しさに魅了される。奈良女子大学卒業後、高山の茶筌師に弟子入り。伝統的な茶筌づくりの技法を学びながら、抹茶ラテなど現代の抹茶文化に対応した新しい茶筌の開発にも取り組んでいる。
制作哲学
茶筌を通じて、抹茶のある暮らしの豊かさを世界中に届けたい。
“竹を割る音、穂を味わう感触。五感で作る茶筌だからこそ、使う人の五感に響くのだと思います。
FAQ
よくある質問
高山茶筌とは何ですか?▼
奈良県生駒市高山で生産される茶道具。一本の竹から削り出す茶筌の国内最大産地。
高山茶筌の産地はどこですか?▼
高山茶筌は奈良県で生産されている木工品・竹工品です。
高山茶筌の技法・特徴は?▼
高山茶筌は淡竹を主な材料とし、一本の竹から一つの茶筌を削り出す。まず竹を適切な長さに切り、外皮を残した状態で先端を細かく割り、穂と呼ばれる薄い竹片を作る。穂の数は茶筌の種類により16本から120本まで様々で、流派によって異なる。穂を小刀で一本ずつ薄く削り、先端を内側に丸くカーブさせる「面取り」の工程が仕上がりの美しさと機能性を左右する。最後に糸で穂を編み上げて形を整える。全工程は手作業で行われ、一つの茶筌に約八十の工程を要する精緻な手仕事である。
高山茶筌はどこで購入・体験できますか?▼
奈良県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。奈良県の工芸品については奈良県の伝統工芸品一覧もご覧ください。