木工品・竹工品
大阪唐木指物
おおさかからきさしもの
大阪で生産される唐木の指物家具。紫檀や黒檀などの銘木を用いた精緻な木工品。
History
歴史
大阪唐木指物は大阪府に伝わる唐木を用いた指物細工で、江戸時代中期に大阪が日本最大の商業都市として栄えた頃に発展した。中国やインドなどから輸入された紫檀、黒檀、花梨などの唐木を用い、床の間の飾り棚や茶道具、花台などの調度品が作られた。堺の港を通じて良質な唐木が豊富に入手でき、大阪の富裕な商人層の需要に応えて高度な技術が磨かれた。1977年に国の伝統的工芸品に指定。硬質な唐木を自在に加工する卓越した技術が今も受け継がれている。
Technique
技法
大阪唐木指物は紫檀、黒檀、花梨、鉄刀木などの硬質な唐木を用いる。唐木は一般的な木材に比べて極めて硬く、加工には高度な技術と忍耐を要する。釘を使わず、ほぞ組みや蟻組みなどの接合技法で組み上げる。硬い木材を精密に加工するため、専用の鑿や鉋を用い、0.1ミリ以下の精度で部材を仕上げる。表面は紙やすりと磨き粉で丹念に磨き上げ、唐木特有の深い色合いと光沢を引き出す。塗装は行わず、素材本来の美しさを最大限に活かすのが特徴である。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木材選別
紫檀・黒檀・花梨・鉄刀木などの極めて硬質な唐木を厳選し、用途に適した材を選び出す
- 2
木取り
硬質な唐木を専用の鋸で切り出し、部材の配置と木目の方向を見極めて各部品を準備する
- 3
部材加工
専用の鑿や鉋を用いて0.1ミリ以下の精度でほぞ組みや蟻組みの接合部を精密に加工する
- 4
組立て
釘を使わず、ほぞ組みや蟻組みなどの接合技法のみで硬質な唐木の部材を堅牢に組み上げる
- 5
研磨
紙やすりと磨き粉で表面を段階的に丹念に磨き上げ、唐木特有の深い色合いと光沢を引き出す
- 6
仕上げ磨き
塗装を行わず素材本来の美しさを最大限に活かすため、最終研磨で鏡面のような光沢に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
西村 喜一郎
伝統工芸士
西村唐木指物店
大阪府岸和田市に生まれ、紫檀・黒檀・鉄刀木などの唐木を用いた高級指物家具の制作に五十年以上携わってきた。飾り棚や文机、花台など、唐木の堅牢さと美しい木目を最大限に活かした作品は、数寄者や茶人から高い評価を得ている。
制作哲学
唐木は硬く、加工は難しい。しかしその分、仕上がった作品には他の木材にない気品と風格が宿る。苦労を厭わず、木と真剣に向き合うことが大切。
“紫檀を削るたびに立ち上る甘い香りが、唐木指物を作る喜びの源です。
堺 陽介
若手職人
大阪芸術大学工芸学科を卒業後、大阪唐木指物の伝統工芸士に弟子入り。唐木の加工技術と釘を使わない組手技法の習得に励みながら、現代的な感覚を取り入れた唐木アクセサリーや小物入れの制作にも挑戦している。
制作哲学
唐木の重厚さを身近に感じてもらえるような、新しい唐木指物の在り方を探求したい。
“唐木を手にすると、東南アジアの熱帯雨林の力強さがそのまま伝わってくる気がします。
FAQ
よくある質問
大阪唐木指物とは何ですか?▼
大阪で生産される唐木の指物家具。紫檀や黒檀などの銘木を用いた精緻な木工品。
大阪唐木指物の産地はどこですか?▼
大阪唐木指物は大阪府で生産されている木工品・竹工品です。
大阪唐木指物の技法・特徴は?▼
大阪唐木指物は紫檀、黒檀、花梨、鉄刀木などの硬質な唐木を用いる。唐木は一般的な木材に比べて極めて硬く、加工には高度な技術と忍耐を要する。釘を使わず、ほぞ組みや蟻組みなどの接合技法で組み上げる。硬い木材を精密に加工するため、専用の鑿や鉋を用い、0.1ミリ以下の精度で部材を仕上げる。表面は紙やすりと磨き粉で丹念に磨き上げ、唐木特有の深い色合いと光沢を引き出す。塗装は行わず、素材本来の美しさを最大限に活かすのが特徴である。
大阪唐木指物はどこで購入・体験できますか?▼
大阪府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。大阪府の工芸品については大阪府の伝統工芸品一覧もご覧ください。