木工品・竹工品
豊岡杞柳細工
とよおかきりゅうざいく
兵庫県豊岡市で生産される柳細工。コリヤナギを編んで作る鞄や籠が代表的。
History
歴史
豊岡杞柳細工は兵庫県豊岡市で製作される柳行李をはじめとする柳細工で、奈良時代にはすでに但馬国で柳の枝を編んだ容器が作られていたとされる。円山川流域は杞柳(コリヤナギ)の生育に適した湿地帯が広がり、古くから柳細工の産地であった。江戸時代には豊岡藩が産業として奨励し、柳行李は全国に出荷された。明治以降はバッグやトランクなど洋風の製品も手がけ、海外輸出も行われた。1985年に国の伝統的工芸品に指定。千年以上の歴史を持つ日本有数の柳細工産地である。
Technique
技法
豊岡杞柳細工は円山川流域で栽培されるコリヤナギの枝を主材料とする。春に一年枝を刈り取り、蒸して樹皮を剥いた白い枝を乾燥させて保存する。製作時には水に浸して柔軟性を戻し、太さや長さで選別した後、編み上げていく。編み方は基本的な編み込みに加え、縄目編み、組み編みなど多様な技法がある。柳行李は経糸となる柳枝を並べ、緯糸を交互に通して編み上げる。仕上げに形を整え、縁を巻いて完成させる。柳の枝は軽くてしなやかであり、通気性に優れた実用的な製品となる。
Process
制作工程
全7工程
- 1
枝刈り取り
春に円山川流域で栽培されたコリヤナギの一年枝を根元から刈り取って収穫する
- 2
蒸し皮剥き
刈り取った柳の枝を蒸気で蒸し上げ、柔らかくなった樹皮を手作業で丁寧に剥き取る
- 3
乾燥保存
皮を剥いた白い柳枝を天日で十分に乾燥させ、品質を保ったまま保存する
- 4
水戻し
製作時に乾燥した柳枝を水に浸して柔軟性を取り戻し、編み上げに適したしなやかさにする
- 5
選別
水に戻した柳枝を太さや長さによって仕分け、製品の部位に応じた材料を準備する
- 6
編み上げ
経糸の柳枝を並べて緯糸を交互に通し、編み込みや縄目編みなどの技法で器形に編む
- 7
縁巻き仕上
編み上がった製品の縁を柳枝で巻いて補強し、形を整えて丈夫で美しい仕上がりにする
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
井上 辰男
伝統工芸士
井上杞柳工房
1949年兵庫県豊岡市生まれ。豊岡の柳行李の伝統を受け継ぐ職人家系の四代目。コリヤナギの栽培から皮むき、編み上げまでの全工程を手がけ、柳行李やバスケット、花器など幅広い作品を制作。豊岡杞柳細工の技術保存会の会長を務め、後継者育成に尽力している。
制作哲学
柳の枝は水辺に育ち、しなやかで強い。その生命力を編み込むことが杞柳細工の真髄である。
“柳を編む手が止まると、心も止まる。編み続けることが職人の生き方です。
西村 結衣
若手作家
Willow & Co.
1994年兵庫県城崎温泉近郊出身。東京でファッションデザインを学んだ後、地元の伝統工芸である杞柳細工に魅力を感じUターン。柳のかごバッグを中心に、ファッション性の高い作品を発表し、百貨店やセレクトショップでの取り扱いが増えている。SNSでの発信も積極的に行う。
制作哲学
豊岡の柳で編んだかごバッグを、日本を代表するファッションアイテムに育てたい。
“柳のかごは使うほどに飴色に変わり、自分だけの一点ものになるんです。
FAQ
よくある質問
豊岡杞柳細工とは何ですか?▼
兵庫県豊岡市で生産される柳細工。コリヤナギを編んで作る鞄や籠が代表的。
豊岡杞柳細工の産地はどこですか?▼
豊岡杞柳細工は兵庫県で生産されている木工品・竹工品です。
豊岡杞柳細工の技法・特徴は?▼
豊岡杞柳細工は円山川流域で栽培されるコリヤナギの枝を主材料とする。春に一年枝を刈り取り、蒸して樹皮を剥いた白い枝を乾燥させて保存する。製作時には水に浸して柔軟性を戻し、太さや長さで選別した後、編み上げていく。編み方は基本的な編み込みに加え、縄目編み、組み編みなど多様な技法がある。柳行李は経糸となる柳枝を並べ、緯糸を交互に通して編み上げる。仕上げに形を整え、縁を巻いて完成させる。柳の枝は軽くてしなやかであり、通気性に優れた実用的な製品となる。
豊岡杞柳細工はどこで購入・体験できますか?▼
兵庫県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。兵庫県の工芸品については兵庫県の伝統工芸品一覧もご覧ください。