陶磁器
三川内焼
みかわちやき
長崎県佐世保市で生産される磁器。透かし彫りや唐子絵など繊細な技法が特徴。
History
歴史
三川内焼は長崎県佐世保市三川内地区を中心に生産される磁器である。慶長3年(1598年)、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に平戸藩主・松浦鎮信が朝鮮陶工を連れ帰ったことに始まる。寛永14年(1637年)頃、三川内の地に窯が移され、藩の御用窯として発展した。江戸時代には平戸焼とも呼ばれ、精緻な白磁や透かし彫りの技術で名声を博し、将軍家への献上品や海外輸出品としても珍重された。明治以降も高い技術を維持し、現在も伝統的工芸品として受け継がれている。
Technique
技法
三川内焼は天草陶石を主原料とし、純白で透光性のある素地が特徴である。成形には轆轤挽き、型打ち、手捻りなどの技法が用いられる。特に唐子絵と呼ばれる子供を描いた染付文様が代表的で、呉須(コバルト)による繊細な筆致で描かれる。透かし彫りや菊花飾りなどの精緻な加飾技法も伝承されている。素焼き後に絵付けを施し、釉薬を掛けて約1300度の高温で本焼きする。卓越した彫刻技術と絵付けの繊細さが三川内焼の真骨頂である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料調合
天草陶石を砕いて水簸し、純白で透光性のある素地を作るために不純物を除去して陶土を調合する
- 2
成形
轆轤挽き、型打ち、手捻りなどの技法で器の形を作り、透かし彫りや菊花飾りの装飾を施す
- 3
乾燥
成形した器を自然乾燥させて十分に水分を抜き、素焼きに耐えられる状態まで乾燥させる
- 4
素焼き
乾燥した器を約900度で素焼きし、絵付けの絵具が定着しやすい多孔質な素地を作る
- 5
絵付け
呉須を用いて唐子絵などの染付文様を繊細な筆致で描き、三川内焼を象徴する絵柄を表現する
- 6
施釉
絵付けした器に透明釉を均一に掛け、本焼き後に滑らかで光沢のある表面となるよう準備する
- 7
本焼き
約1300度の高温で本焼きし、天草陶石の純白の素地と呉須の藍色が美しく発色した磁器に焼き上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
今村 清治
伝統工芸士
今村窯
長崎県佐世保市三川内に生まれ、白磁の透し彫りと染付を得意とする三川内焼の陶工として50年以上のキャリアを持つ。卵殻手と呼ばれる極薄の白磁や、精緻な唐子絵付けの技法で知られ、国の重要無形文化財の保持団体の一員として活動している。
制作哲学
三川内の白磁は「白の極致」。その透き通るような白さを追求することが、私の生涯の課題です。
“光に透ける薄さの白磁を作るには、土と火との対話を半世紀続けなければなりませんでした。
原田 菜々子
若手作家
長崎県佐世保市出身。有田窯業大学校で陶芸を学んだ後、三川内焼の繊細な白磁の美に惹かれ地元の窯元で修業。伝統的な透し彫りの技法を活かしながら、現代のテーブルウェアとしても使えるモダンな食器デザインを展開している。
制作哲学
三川内焼の白は、どんな料理も美しく引き立てる最高の器の色。その白を日常の食卓に届けたい。
“薄くて軽い三川内の白磁を手に取ったとき、誰もがその美しさに驚いてくれます。
FAQ
よくある質問
三川内焼とは何ですか?▼
長崎県佐世保市で生産される磁器。透かし彫りや唐子絵など繊細な技法が特徴。
三川内焼の産地はどこですか?▼
三川内焼は長崎県で生産されている陶磁器です。
三川内焼の技法・特徴は?▼
三川内焼は天草陶石を主原料とし、純白で透光性のある素地が特徴である。成形には轆轤挽き、型打ち、手捻りなどの技法が用いられる。特に唐子絵と呼ばれる子供を描いた染付文様が代表的で、呉須(コバルト)による繊細な筆致で描かれる。透かし彫りや菊花飾りなどの精緻な加飾技法も伝承されている。素焼き後に絵付けを施し、釉薬を掛けて約1300度の高温で本焼きする。卓越した彫刻技術と絵付けの繊細さが三川内焼の真骨頂である。
三川内焼はどこで購入・体験できますか?▼
長崎県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。長崎県の工芸品については長崎県の伝統工芸品一覧もご覧ください。