漆器
会津塗
あいづぬり
福島県会津地方で生産される漆器。花塗や消粉蒔絵など多彩な加飾技法が特徴。
History
歴史
会津塗は室町時代末期の1590年頃、蒲生氏郷が会津若松の領主となった際に、故郷の近江日野から漆工を招いて漆器生産を奨励したことに始まる。江戸時代には会津藩の重要な保護産業として大いに発展し、日本有数の漆器産地となった。戊辰戦争の戦禍で一時衰退したが、明治以降に見事な復興を遂げた。花塗や鉄錆塗など独自の技法を生み出し、日用品から高級品まで幅広い製品を生産する総合漆器産地である。1975年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
会津塗の製造は木地作りから始まり、欅や栃などの木材をろくろで挽いて成形する。下地工程では柿渋や生漆を塗り、地の粉を用いた堅下地を数回にわたり施す。中塗り・上塗りには精製漆を使用し、良質な刷毛で均一に塗り上げる。代表的な技法に花塗があり、上塗り後に研磨せず漆の自然な流動による艶を活かす仕上げとなる。また鉄錆塗は鉄粉を混ぜた漆で独特の渋い風合いを生み出す。蒔絵や沈金による加飾も行われ、堅牢で実用性の高い漆器を生み出している。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木地作り
欅や栃などの木材を十分に乾燥させた後、ろくろで挽いて椀や重箱などの器の形に丁寧に成形する
- 2
下地固め
木地に柿渋や生漆を塗って木材の目を固め、漆の吸い込みを均一にして堅牢な塗膜の土台を作る
- 3
堅下地
生漆に地の粉を混ぜた下地材を数回にわたり塗り重ね、各層ごとに乾燥させて砥石で研磨し平滑な下地を築く
- 4
中塗り
精製漆を均一に塗り、乾燥後に水研ぎで表面を整えて上塗りの密着性と仕上がりの美しさを高める
- 5
上塗り
精製漆を良質な刷毛で均一に塗り上げ、花塗りでは研磨せず漆の自然な流動による艶を活かして仕上げる
- 6
加飾
蒔絵や沈金の技法を用いて金粉や金箔で文様を施し、会津の伝統的な草花や風景の意匠を華やかに表現する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
鈴木 喜三郎
伝統工芸士
鈴木漆器工房
1949年福島県会津若松市生まれ。会津塗の名家に生まれ、高校卒業と同時に家業に入った。花塗りと沈金の技法を極め、会津の風土を感じさせる重厚な作品を数多く制作してきた。福島県卓越技能者にも認定されている。
制作哲学
会津の厳しい冬が漆を鍛え、職人を鍛える。四百年の伝統の重みを背負いながら、一塗り一塗りに魂を込める。
“漆は正直な素材で、手を抜けばすぐに仕上がりに出る。だから日々精進あるのみです。
渡辺 陽介
若手作家
1992年福島県喜多方市生まれ。東京の大学で工業デザインを学んだ後、地元に戻り会津塗の世界に飛び込んだ。伝統的な消粉蒔絵の技術を身につけながら、モダンなフォルムの漆器を制作し、若い世代からの支持を得ている。
制作哲学
会津塗の堅牢さと美しさを、現代の暮らしの中で再発見してもらいたい。
“故郷の伝統を自分の手で未来につなげる、これほどやりがいのある仕事はありません。
FAQ
よくある質問
会津塗とは何ですか?▼
福島県会津地方で生産される漆器。花塗や消粉蒔絵など多彩な加飾技法が特徴。
会津塗の産地はどこですか?▼
会津塗は福島県で生産されている漆器です。
会津塗の技法・特徴は?▼
会津塗の製造は木地作りから始まり、欅や栃などの木材をろくろで挽いて成形する。下地工程では柿渋や生漆を塗り、地の粉を用いた堅下地を数回にわたり施す。中塗り・上塗りには精製漆を使用し、良質な刷毛で均一に塗り上げる。代表的な技法に花塗があり、上塗り後に研磨せず漆の自然な流動による艶を活かす仕上げとなる。また鉄錆塗は鉄粉を混ぜた漆で独特の渋い風合いを生み出す。蒔絵や沈金による加飾も行われ、堅牢で実用性の高い漆器を生み出している。
会津塗はどこで購入・体験できますか?▼
福島県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。福島県の工芸品については福島県の伝統工芸品一覧もご覧ください。