陶磁器
天草陶磁器
あまくさとうじき
熊本県天草地方で生産される陶磁器。天草陶石を原料とした白磁が特徴。
History
歴史
天草陶磁器は熊本県天草地方で生産される陶磁器の総称である。天草は日本有数の陶石産地であり、天草陶石は有田焼や清水焼など全国の磁器産地に原料として供給されてきた。地元での焼き物生産は寛永年間(1624年〜)に内田皿山窯が開かれたことに始まるとされる。その後、高浜焼や水の平焼など複数の窯が開かれた。明治時代には洋食器の生産も始まり、近代化が進んだ。平成15年に伝統的工芸品に指定され、天草陶石の品質の高さを活かした磁器生産が続けられている。
Technique
技法
天草陶磁器は世界的にも高品質で知られる天草陶石を主原料とする。天草陶石は鉄分が少なく、単独で磁器を焼成できる希少な陶石で、焼き上がりの白さが際立つ。成形は轆轤挽き、型成形などで行い、素焼き後に呉須や鉄砂などで絵付けを施す。透明釉を掛けて約1300度の高温で本焼きし、白く透明感のある磁肌に仕上げる。陶器も生産されており、地元の赤土を用いた素朴な風合いの作品もある。各窯元が独自の釉薬や技法を工夫し、多様な表現を追求している。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料精製
世界的に高品質として知られる天草陶石を採掘し、砕いて水簸して鉄分の少ない純白な磁器土を作る
- 2
成形
轆轤挽きや型成形で器の形を作り、天草陶石の白さと緻密さの特性を活かした薄手の素地に仕上げる
- 3
乾燥
成形した素地を温度や湿度を管理しながら均一にゆっくりと乾燥させ、収縮による変形やひび割れを防ぐ
- 4
素焼き
乾燥した素地を低温で素焼きし、絵付けや施釉の工程に適した吸水性と取り扱いに耐える強度を与える
- 5
絵付け
呉須や鉄砂などの顔料を用いて文様を手描きし、磁器の白さを引き立てる下絵付けを施す
- 6
施釉
透明釉を素地の全体に均一にむらなく掛け、焼成後に白く透明感のある美しい磁肌が現れるよう準備する
- 7
本焼き
約1300度の高温で本焼きし、天草陶石の白さが際立つ透明感のある磁器に焼き上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
内田 陶山
三代目
陶山窯
熊本県天草市に生まれ、天草陶石を用いた陶磁器づくりの三代目として家業を継承した。天草陶石は国内磁器原料の八割を占める名産であり、その地元で採れる最高品質の陶石を使った白磁と染付を四十年にわたり制作している。日本工芸会正会員として活動し、伝統工芸展に毎年出品している。
制作哲学
天草陶石の透明感ある白さは、世界に誇る日本の宝である。この石の持つ美しさを最大限に引き出す焼成を追求し続ける。
“天草の陶石は磁器の命です。地元で採れる最良の素材で器を作れることに感謝しています。
坂本 千尋
若手作家
熊本県出身。有田の窯業大学校で磁器の技法を学んだ後、天草に戻り天草陶磁器の制作を始めた。天草陶石の白さを活かしたシンプルなデザインの食器を制作し、オンラインショップを通じて全国に販売している。天草の海や島々の風景を繊細な染付で描く作風が人気を集めている。
制作哲学
天草の自然が生んだ世界最高品質の陶石を、現代の暮らしに届く形にしたい。
“天草の青い海を見ながら絵付けをすると、自然と筆が踊り出します。
FAQ
よくある質問
天草陶磁器とは何ですか?▼
熊本県天草地方で生産される陶磁器。天草陶石を原料とした白磁が特徴。
天草陶磁器の産地はどこですか?▼
天草陶磁器は熊本県で生産されている陶磁器です。
天草陶磁器の技法・特徴は?▼
天草陶磁器は世界的にも高品質で知られる天草陶石を主原料とする。天草陶石は鉄分が少なく、単独で磁器を焼成できる希少な陶石で、焼き上がりの白さが際立つ。成形は轆轤挽き、型成形などで行い、素焼き後に呉須や鉄砂などで絵付けを施す。透明釉を掛けて約1300度の高温で本焼きし、白く透明感のある磁肌に仕上げる。陶器も生産されており、地元の赤土を用いた素朴な風合いの作品もある。各窯元が独自の釉薬や技法を工夫し、多様な表現を追求している。
天草陶磁器はどこで購入・体験できますか?▼
熊本県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。熊本県の工芸品については熊本県の伝統工芸品一覧もご覧ください。