陶磁器
笠間焼
かさまやき
茨城県笠間市で生産される陶器。自由な作風と多様な表現が特徴の関東最古の窯。
History
歴史
笠間焼は茨城県笠間市で生産される陶器である。安永年間(1772年〜)に箱田村の久野半右衛門が信楽焼の陶工・長右衛門の指導を受けて窯を開いたのが起源とされる。笠間藩の保護のもと発展し、甕や壺、すり鉢などの日用雑器を中心に生産した。江戸から近い立地を活かして江戸への出荷が盛んであった。関東最古の窯場として約250年の歴史を持つ。昭和後期からは自由な作風の作家が多く集まり、従来の産地のイメージにとらわれない多様な陶芸が展開されている。
Technique
技法
笠間焼は笠間市周辺で産出する花崗岩質の陶土を使用する。この土は粘りが強く成形しやすい特性を持つ。成形は轆轤挽き、手捻り、タタラ作りなど多様な技法が用いられる。笠間焼は特定の様式に縛られない自由度の高さが特徴で、各作家が独自の釉薬や装飾技法を追求している。伝統的には鉄釉、灰釉、塩釉などが使われ、素朴な風合いの日用雑器が主流であった。焼成温度は約1250度から1300度。近年は若い陶芸家が集い、伝統技法を基盤としつつ現代的な造形や釉薬表現に挑戦している。
Process
制作工程
全7工程
- 1
土採取
笠間市周辺で産出する花崗岩質の陶土を採取し、粘りが強く成形しやすい粘土を確保する
- 2
土練り
採取した陶土を水簸・精製した後に菊練りで入念に気泡を抜き、粘りが強く均質な粘土に仕上げる
- 3
成形
轆轤挽き・手捻り・タタラ作りなど多様な技法を駆使し、作家の自由な発想で器の形を作り上げる
- 4
乾燥
成形した器をゆっくりと自然乾燥させ、花崗岩質の素地全体の水分を均一に抜いて変形を防ぐ
- 5
素焼き
乾燥した素地を低温で素焼きし、各作家が独自に調合する釉薬の施釉に適した吸水性と強度を持たせる
- 6
施釉
鉄釉・灰釉・塩釉などの伝統釉薬や各作家が独自に開発した釉薬を掛けて、個性的な表情を生み出す
- 7
焼成
約1250度から1300度で焼成し、素朴な土味を活かした温かみのある器に焼き上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
海老沢 宗匠
伝統工芸士
宗匠窯
茨城県笠間市に生まれ、笠間焼の伝統を守りながら四十年以上にわたり制作を続けてきた。笠間の良質な粘土を活かした多彩な釉薬表現が持ち味で、特に鉄釉と灰釉の重ね掛けによる深みのある色彩で高い評価を得ている。笠間焼協同組合の理事として産地の発展にも貢献している。
制作哲学
笠間焼は自由な気風が特徴である。伝統を大切にしながらも、常に新しい表現に挑戦する姿勢を忘れてはならない。
“笠間の土は懐が深い。どんな表現も受け止めてくれる、そんな土です。
小松崎 花
若手作家
花陶房
茨城県出身。東京藝術大学で陶芸を専攻し、笠間に戻ってアトリエを構えた。笠間焼の自由な作風を活かし、オブジェと器の境界を越えた作品を制作している。笠間の陶炎祭(ひまつり)では毎年斬新な作品を発表し、若手作家の中でも存在感を示している。
制作哲学
笠間焼の『何でもあり』の精神を受け継ぎ、器とアートの垣根を超えた作品を作りたい。
“笠間には型にはまらない自由さがある。だから私はこの地で作り続けるのです。
FAQ
よくある質問
笠間焼とは何ですか?▼
茨城県笠間市で生産される陶器。自由な作風と多様な表現が特徴の関東最古の窯。
笠間焼の産地はどこですか?▼
笠間焼は茨城県で生産されている陶磁器です。
笠間焼の技法・特徴は?▼
笠間焼は笠間市周辺で産出する花崗岩質の陶土を使用する。この土は粘りが強く成形しやすい特性を持つ。成形は轆轤挽き、手捻り、タタラ作りなど多様な技法が用いられる。笠間焼は特定の様式に縛られない自由度の高さが特徴で、各作家が独自の釉薬や装飾技法を追求している。伝統的には鉄釉、灰釉、塩釉などが使われ、素朴な風合いの日用雑器が主流であった。焼成温度は約1250度から1300度。近年は若い陶芸家が集い、伝統技法を基盤としつつ現代的な造形や釉薬表現に挑戦している。
笠間焼はどこで購入・体験できますか?▼
茨城県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。茨城県の工芸品については茨城県の伝統工芸品一覧もご覧ください。