陶磁器
上野焼
あがのやき
福岡県福智町で生産される陶器。薄作りの茶陶として知られる。
History
歴史
上野焼は福岡県田川郡福智町を中心に生産される陶器である。慶長7年(1602年)、豊前国小倉藩主・細川忠興が朝鮮陶工の尊楷を招き、上野の地に窯を開いたことに始まる。忠興は茶道に造詣が深く、千利休や古田織部に師事しており、上野焼は茶陶として発展した。寛永9年(1632年)に細川氏が肥後に移封された後も小笠原氏の保護のもと窯は存続した。遠州七窯の一つに数えられ、薄作りの茶碗や水指など茶道具の名品を生み出してきた。
Technique
技法
上野焼は地元の陶土を用い、轆轤による薄手の成形が特徴である。「上野の薄作り」と称されるほど軽くて薄い器が伝統とされる。釉薬は多彩で、銅を含む緑釉、藁灰釉、鉄釉などを用い、二重掛けや流し掛けにより変化に富んだ景色を生む。特に銅緑釉と藁灰釉を掛け分けた作品は上野焼の代表的な表現である。焼成は登り窯や穴窯で約1250度の高温で行い、還元焼成により深みのある色調を実現する。茶陶としての品格ある仕上がりが持ち味である。
Process
制作工程
全6工程
- 1
土作り
地元の陶土を採取して不純物を取り除き、水簸や練りの工程を経て成形に適した陶土を準備する
- 2
成形
轆轤を用いて薄手に成形し、上野の薄作りと称される軽くて繊細な器の形を作り上げる
- 3
乾燥
成形した器を自然乾燥させて水分を十分に抜き、素焼き時の割れやひびを防止する
- 4
素焼き
乾燥した器を低温で素焼きし、釉薬が均一に掛かる多孔質で吸水性のある素地を作る
- 5
施釉
銅緑釉や藁灰釉、鉄釉などを二重掛けや流し掛けで施し、変化に富んだ釉薬の景色を作る
- 6
本焼き
登り窯や穴窯で約1250度の高温で還元焼成し、深みのある色調と茶陶としての品格ある表情を生む
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
渡邊 泰山
伝統工芸士
泰山窯
福岡県田川郡福智町に生まれ、上野焼の窯元の家に育つ。薄作りの茶陶を得意とし、青緑釉や鉄釉などの伝統的な釉薬を駆使した作品で知られる。茶の湯の世界で高い評価を受け、遠州流をはじめとする茶道家元からの注文も多い。45年以上のキャリアを持つ。
制作哲学
上野焼の薄さと軽さは、茶の湯のために生まれた器の理想形。手に取った瞬間の驚きを大切にしています。
“茶碗は口に触れ、手に包まれる。その親密な関係に応えられる器でありたい。
高田 瑞希
若手作家
福岡県北九州市出身。佐賀の窯業学校で陶芸を学んだ後、上野焼の柔らかな釉調と薄作りの美しさに惹かれ、福智町の窯元で修業。伝統的な茶陶の技法を基盤に、日常使いの食器や花器など暮らしに寄り添う器の制作を展開している。
制作哲学
上野焼の優しい色合いは、毎日の食卓を穏やかに彩ってくれる。日常の中の贅沢を届けたい。
“釉薬が窯の中で変化する瞬間こそ、焼き物の最大の醍醐味です。
FAQ
よくある質問
上野焼とは何ですか?▼
福岡県福智町で生産される陶器。薄作りの茶陶として知られる。
上野焼の産地はどこですか?▼
上野焼は福岡県で生産されている陶磁器です。
上野焼の技法・特徴は?▼
上野焼は地元の陶土を用い、轆轤による薄手の成形が特徴である。「上野の薄作り」と称されるほど軽くて薄い器が伝統とされる。釉薬は多彩で、銅を含む緑釉、藁灰釉、鉄釉などを用い、二重掛けや流し掛けにより変化に富んだ景色を生む。特に銅緑釉と藁灰釉を掛け分けた作品は上野焼の代表的な表現である。焼成は登り窯や穴窯で約1250度の高温で行い、還元焼成により深みのある色調を実現する。茶陶としての品格ある仕上がりが持ち味である。
上野焼はどこで購入・体験できますか?▼
福岡県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。福岡県の工芸品については福岡県の伝統工芸品一覧もご覧ください。