木工品・竹工品
南木曽ろくろ細工
なぎそろくろざいく
長野県南木曽町で生産されるろくろ挽きの木工品。栃やケヤキの木目を活かした器が特徴。
History
歴史
南木曽ろくろ細工は長野県木曽郡南木曽町に伝わる木工芸品で、その歴史は平安時代にまで遡るとされる。木曽の山林に恵まれた当地では、古くから木地師と呼ばれる職人がろくろを用いて椀や盆を製作していた。江戸時代には尾張藩の管理下で木曽五木の伐採が制限されたが、ろくろ細工用の雑木の使用は許可され、産業として存続した。明治以降も技術が受け継がれ、1980年に国の伝統的工芸品に指定された。木曽の豊かな森林資源と木地師の伝統が息づく工芸品である。
Technique
技法
南木曽ろくろ細工はトチ、ケヤキ、カツラ、セン、ミズメザクラなどの広葉樹を用いる。原木を伐採後、大まかな形に荒挽きし、数ヶ月間自然乾燥させて木の狂いを出す。その後、ろくろ(木工旋盤)に木地を固定し、鉋や刃物を当てて回転させながら椀や盆、鉢などの形に削り出す。職人は木の硬さや木目を手の感触で読み取りながら、均一な厚さに仕上げる。最終工程では漆塗りや拭き漆を施す場合もあるが、白木のまま木目の美しさを活かす製品も多い。
Process
制作工程
全6工程
- 1
原木選別
トチ・ケヤキ・カツラ・ミズメザクラなどの広葉樹から木目が美しく質の良い原木を厳選する
- 2
荒挽き
伐採した原木をろくろにかけて大まかな椀や盆の形に荒挽きし、乾燥時の割れを防ぐ形に成形する
- 3
自然乾燥
荒挽きした木地を数ヶ月間自然乾燥させて木の狂いや歪みを出し、安定した素材に仕上げる
- 4
仕上げ挽き
乾燥した木地をろくろに固定し、鉋や刃物を当てて回転させながら椀や盆の最終形に精密に削り出す
- 5
厚み調整
職人が木の硬さや木目を手の感触で読み取りながら、均一な厚さに仕上げて器としての完成度を高める
- 6
表面仕上げ
白木のまま木目の美しさを活かすか、拭き漆を施して深みのある艶を出し、製品として完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
小椋 庄太郎
伝統工芸士
小椋ろくろ工房
長野県木曽郡南木曽町に生まれ、木曽の山林で育った栃や欅を素材に、ろくろ挽きの技術を五十年以上にわたり磨いてきた。特に木目を活かした栃の大鉢や茶托の制作で知られ、南木曽ろくろ細工の第一人者として後進の指導にも力を入れている。
制作哲学
ろくろの上で木は語る。木の声に耳を澄まし、木が望む形に挽くことこそ、ろくろ師の務めである。
“南木曽の山が百年かけて育てた木を、職人が心を込めて器に変える。それが自然への恩返しです。
原 拓也
若手職人
信州大学農学部で森林科学を学んだ後、南木曽の森と木工文化に魅了されて移住。伝統工芸士に弟子入りし、ろくろ挽きの基礎から修行を重ねている。持続可能な林業と伝統工芸の循環をテーマに、地元の間伐材を活用した製品開発にも取り組む。
制作哲学
森を守り、木を使い、器を作る。この循環を次の世代につなぐことが、南木曽ろくろ細工の未来を拓く。
“ろくろを回すと木の香りが立ち上り、南木曽の森の中にいるような気持ちになります。
FAQ
よくある質問
南木曽ろくろ細工とは何ですか?▼
長野県南木曽町で生産されるろくろ挽きの木工品。栃やケヤキの木目を活かした器が特徴。
南木曽ろくろ細工の産地はどこですか?▼
南木曽ろくろ細工は長野県で生産されている木工品・竹工品です。
南木曽ろくろ細工の技法・特徴は?▼
南木曽ろくろ細工はトチ、ケヤキ、カツラ、セン、ミズメザクラなどの広葉樹を用いる。原木を伐採後、大まかな形に荒挽きし、数ヶ月間自然乾燥させて木の狂いを出す。その後、ろくろ(木工旋盤)に木地を固定し、鉋や刃物を当てて回転させながら椀や盆、鉢などの形に削り出す。職人は木の硬さや木目を手の感触で読み取りながら、均一な厚さに仕上げる。最終工程では漆塗りや拭き漆を施す場合もあるが、白木のまま木目の美しさを活かす製品も多い。
南木曽ろくろ細工はどこで購入・体験できますか?▼
長野県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。長野県の工芸品については長野県の伝統工芸品一覧もご覧ください。