秀衡塗

漆器

秀衡塗

ひでひらぬり

岩手県

岩手県平泉町周辺で生産される漆器。金箔による菱形の有職文様が特徴。

History

歴史

秀衡塗は平安時代末期の12世紀頃、奥州藤原氏三代・藤原秀衡が平泉の黄金文化を背景に漆器生産を奨励したことに始まるとされる。藤原氏滅亡後も岩手県南部の職人たちによって技術は脈々と受け継がれてきた。江戸時代には仙台伊達藩の保護のもとで生産が続けられ、金箔を用いた華やかな装飾が秀衡塗の特徴として確立された。平泉の中尊寺金色堂に象徴される黄金文化の系譜を受け継ぐ漆器として広く知られ、1985年に伝統的工芸品に指定された。

Technique

技法

秀衡塗は木地にトチやブナなどの東北産の木材を使用し、ろくろ挽きで椀や皿を丁寧に成形する。下地は生漆と地の粉を用いた本堅地を施し、堅牢な基盤を築く。最大の特徴は金箔を用いた有職文様の華やかな加飾で、源氏雲の中に草花文様を配した秀衡文様が代表的な意匠である。漆で文様を描いた上に金箔を貼り付け、さらに漆を塗って研ぎ出す技法により、金箔が漆の中に沈み込んだ奥深い輝きを生む。朱塗りと黒塗りの対比も美しく格調高い仕上がりとなる。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    木地作り

    トチやブナなどの東北産木材をろくろ挽きで椀や皿の形に丁寧に成形し、十分に乾燥させて安定させる

  2. 2

    本堅下地

    生漆と地の粉を混ぜた下地材を数回塗り重ね、各層の乾燥と研磨を繰り返して堅牢な下地を築く

  3. 3

    中塗り

    精製漆を均一に塗り、乾燥後に砥石で丁寧に研磨して上塗りと加飾のための平滑な表面を整える

  4. 4

    上塗り

    朱漆または黒漆を刷毛で均一に塗り上げ、深みのある色調を持つ美しい塗膜を形成する

  5. 5

    漆絵描き

    漆で源氏雲や草花文様などの秀衡文様を塗面に丹念に描き、金箔を貼り付けるための接着層を作る

  6. 6

    金箔貼り

    漆で描いた文様の上に金箔を丁寧に貼り付け、有職文様の華やかな金色の意匠を正確に表現する

  7. 7

    研ぎ出し

    金箔の上にさらに漆を塗り重ねて研ぎ出し、金箔が漆の中に沈み込んだ奥深く格調高い輝きに仕上げる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

千葉 秀山

伝統工芸士

秀山漆器工房

1950年岩手県奥州市江刺区生まれ。平泉の藤原文化を今に伝える秀衡塗の塗師。金箔を用いた秀衡文様の制作において卓越した技術を持ち、菱形の有職文様と草花を組み合わせた伝統的な意匠を守り続けている。

制作哲学

奥州藤原氏の栄華が生んだ秀衡塗の格調高い美を、一点一点丁寧に再現し後世に伝えることが使命である。

金箔と漆の調和が生む荘厳な美しさは、平泉の浄土思想そのものだと思います。

菊池 翔平

若手作家

1991年岩手県一関市生まれ。東北芸術工科大学で漆芸を学び、秀衡塗の歴史と美しさに感銘を受けて岩手に戻った。伝統的な秀衡文様の技法を習得しながら、現代の暮らしに合うサイズやデザインの器を模索している。

制作哲学

平泉の世界遺産とともに、秀衡塗の美を世界に届けたい。伝統の技は、使い手の想像力をかき立てる力を持っている。

千年前の美意識が今も生きている秀衡塗に、歴史の重みと未来への可能性を感じます。

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FAQ

よくある質問

秀衡塗とは何ですか?

岩手県平泉町周辺で生産される漆器。金箔による菱形の有職文様が特徴。

秀衡塗の産地はどこですか?

秀衡塗岩手県で生産されている漆器です。

秀衡塗の技法・特徴は?

秀衡塗は木地にトチやブナなどの東北産の木材を使用し、ろくろ挽きで椀や皿を丁寧に成形する。下地は生漆と地の粉を用いた本堅地を施し、堅牢な基盤を築く。最大の特徴は金箔を用いた有職文様の華やかな加飾で、源氏雲の中に草花文様を配した秀衡文様が代表的な意匠である。漆で文様を描いた上に金箔を貼り付け、さらに漆を塗って研ぎ出す技法により、金箔が漆の中に沈み込んだ奥深い輝きを生む。朱塗りと黒塗りの対比も美しく格調高い仕上がりとなる。

秀衡塗はどこで購入・体験できますか?

岩手県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。岩手県の工芸品については岩手県の伝統工芸品一覧もご覧ください。