木工品・竹工品
京指物
きょうさしもの
京都で生産される指物家具。雅やかな意匠と精緻な木組み技法が特徴。
History
歴史
京指物は京都に伝わる木工芸品で、平安時代に都の造営とともに発展した指物技術を起源とする。「指物」とは板や棒を差し合わせて釘を使わずに組み上げる技法を指し、宮廷や公家の調度品として高い品格が求められた。室町時代には茶の湯の興隆とともに茶道具の棚物や香道具が多く作られ、独自の洗練された意匠が生まれた。江戸時代には町人文化の発展とともに箪笥や文箱など多様な製品が普及した。1976年に国の伝統的工芸品に指定され、雅な京文化を象徴する木工芸として継承されている。
Technique
技法
京指物は桑、桐、杉、黒柿などの良質な木材を用い、釘を一切使わず、ほぞ組みや蟻組みなどの接合技法で組み上げる。木材は数年間自然乾燥させた後、鉋で精密に仕上げ、0.1ミリ単位の精度で部材を加工する。組み手の種類は数十種に及び、用途や意匠に応じて使い分けられる。表面仕上げには拭き漆や蝋色仕上げを施し、木目の美しさを最大限に引き出す。京都の美意識を反映した繊細な蒔絵や象嵌の装飾が加えられることも多く、実用性と芸術性を高い次元で両立させている。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木材選別
桑・桐・杉・黒柿などの良質な木材を厳選し、数年間自然乾燥させて安定した材料を準備する
- 2
木取り
乾燥した木材から部材を切り出し、木目の方向と用途を考慮して各部品の配置を決定する
- 3
部材加工
鉋で精密に削り、0.1ミリ単位の精度でほぞ組みや蟻組みなど数十種の接合部を加工する
- 4
組立て
釘を一切使わず、ほぞ組みや蟻組みの接合技法のみで部材を組み上げ、堅牢な構造を作る
- 5
表面仕上げ
組み上がった製品の表面を鉋と砥草で丹念に磨き、拭き漆や蝋色仕上げで木目の美しさを引き出す
- 6
装飾加工
京都の美意識を反映した繊細な蒔絵や象嵌の装飾を施し、実用性と芸術性を高い次元で両立させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
永井 昭三
伝統工芸士
永井指物店
京都市に生まれ、茶道具や香道具を中心とした京指物の工房を営む家系の四代目。釘を一本も使わず、木と木を精密に組み合わせる指物の技を五十年以上にわたり磨いてきた。裏千家・表千家の茶道具制作を手がけ、茶道界から厚い信頼を得ている。
制作哲学
京指物は目に見えない部分にこそ技がある。組手の精度が作品の品格を決め、百年の耐久性を生む。
“釘を使わないということは、木同士の信頼関係だけで家具を成り立たせるということ。それが京指物の美学です。
小川 結衣
若手作家
結木工房
京都市立芸術大学でプロダクトデザインを学び、京指物の精緻な木組みの技術に衝撃を受けて弟子入り。伝統的な茶道具の制作を学びながら、現代のライフスタイルに合ったコンパクトな指物家具やステーショナリーの開発を進めている。
制作哲学
千年の都が育んだ美意識を、日常使いの品に宿らせる。それが京指物の新しい形だと考えている。
“木と木がぴたりと合わさる瞬間の感触は、何度経験しても鳥肌が立つほど感動的です。
FAQ
よくある質問
京指物とは何ですか?▼
京都で生産される指物家具。雅やかな意匠と精緻な木組み技法が特徴。
京指物の産地はどこですか?▼
京指物は京都府で生産されている木工品・竹工品です。
京指物の技法・特徴は?▼
京指物は桑、桐、杉、黒柿などの良質な木材を用い、釘を一切使わず、ほぞ組みや蟻組みなどの接合技法で組み上げる。木材は数年間自然乾燥させた後、鉋で精密に仕上げ、0.1ミリ単位の精度で部材を加工する。組み手の種類は数十種に及び、用途や意匠に応じて使い分けられる。表面仕上げには拭き漆や蝋色仕上げを施し、木目の美しさを最大限に引き出す。京都の美意識を反映した繊細な蒔絵や象嵌の装飾が加えられることも多く、実用性と芸術性を高い次元で両立させている。
京指物はどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。