木工品・竹工品
奥会津編み組細工
おくあいづあみくみざいく
福島県三島町周辺で山ブドウやマタタビなどの自然素材を編んで作る籠や生活用品。
History
歴史
奥会津編み組細工は福島県奥会津地方に伝わる編み組工芸品で、縄文時代の遺跡から編み組の痕跡が出土するなど、極めて古い歴史を持つ。山間部の厳しい自然環境の中で、ヒロロ、山ブドウ、マタタビなどの自然素材を用いた籠や笊が生活必需品として作り続けられてきた。冬の長い雪国の暮らしの中で、農閑期の手仕事として技術が洗練された。2003年に国の伝統的工芸品に指定。山の恵みを活かした素朴で堅牢な編み組の伝統が、現在も三島町を中心に守られている。
Technique
技法
奥会津編み組細工はヒロロ(ミヤマカンスゲ)、山ブドウの蔓、マタタビの蔓を主な素材とする。素材の採取は時期が限られ、山ブドウは梅雨時に樹皮を剥ぎ、ヒロロは秋に刈り取る。採取した素材は乾燥・選別の後、水に浸して柔らかくし、編み組に適した幅に裂く。編み方は素材ごとに異なり、ヒロロは撚り編み、山ブドウは網代編みや市松編み、マタタビはござ目編みが基本となる。特に山ブドウの蔓で編んだ籠は使い込むほどに飴色の光沢を帯び、数十年の使用に耐える堅牢さを持つ。
Process
制作工程
全6工程
- 1
素材採取
山ブドウは梅雨時に樹皮を剥ぎ、ヒロロは秋に刈り取るなど適切な時期に山で素材を採取する
- 2
乾燥選別
採取した山ブドウの蔓やヒロロ、マタタビを天日で乾燥させ、品質ごとに選別する
- 3
水戻し
乾燥保存した素材を水に浸して柔軟性を取り戻し、編み組作業に適した状態にする
- 4
素材加工
水に戻した蔓や草を編みやすい幅に手で裂き、均一な太さの編み材に仕立てる
- 5
編み組み
素材に応じた技法で編み上げる。山ブドウは網代編み、ヒロロは撚り編み、マタタビはござ目編みを用いる
- 6
成形仕上げ
編み上がった籠やざるの形を整え、縁の始末を丁寧に行い堅牢な仕上がりにする
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
五十嵐 勝治
伝統工芸士
五十嵐編組工房
1950年福島県三島町生まれ。雪深い奥会津の山村で、幼少期から祖母や母の編み組作業を見て育つ。ヒロロ、山ブドウ、マタタビといった自然素材の採取から完成まで、すべての工程を一人でこなす。2001年に伝統工芸士に認定され、地域の編み組文化の継承に尽力している。
制作哲学
奥会津の山が育んだ素材と、先人たちが磨き上げた技法を次の世代へ受け渡すことが自分の役目である。
“山の恵みを編むということは、この土地の暮らしそのものを編むということだ。
渡部 沙織
若手作家
蔓草舎
1991年福島県会津若松市生まれ。東京の美術大学でテキスタイルを学んだ後、奥会津の編み組細工に出会い、Uターンして三島町に移住。地元の高齢職人から山ブドウ細工の技法を学びながら、バッグや小物など現代的なアイテムの制作に取り組んでいる。
制作哲学
自然素材の温もりと手仕事の確かさを、都会の暮らしにも届けたい。
“一本一本の蔓に山の記憶が宿っている、それを手で感じながら編んでいます。
FAQ
よくある質問
奥会津編み組細工とは何ですか?▼
福島県三島町周辺で山ブドウやマタタビなどの自然素材を編んで作る籠や生活用品。
奥会津編み組細工の産地はどこですか?▼
奥会津編み組細工は福島県で生産されている木工品・竹工品です。
奥会津編み組細工の技法・特徴は?▼
奥会津編み組細工はヒロロ(ミヤマカンスゲ)、山ブドウの蔓、マタタビの蔓を主な素材とする。素材の採取は時期が限られ、山ブドウは梅雨時に樹皮を剥ぎ、ヒロロは秋に刈り取る。採取した素材は乾燥・選別の後、水に浸して柔らかくし、編み組に適した幅に裂く。編み方は素材ごとに異なり、ヒロロは撚り編み、山ブドウは網代編みや市松編み、マタタビはござ目編みが基本となる。特に山ブドウの蔓で編んだ籠は使い込むほどに飴色の光沢を帯び、数十年の使用に耐える堅牢さを持つ。
奥会津編み組細工はどこで購入・体験できますか?▼
福島県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。福島県の工芸品については福島県の伝統工芸品一覧もご覧ください。