陶磁器
瀬戸染付焼
せとそめつけやき
愛知県瀬戸市で生産される染付磁器。呉須による藍色の絵付けが特徴。
History
歴史
瀬戸染付焼は愛知県瀬戸市で生産される染付磁器である。瀬戸は日本六古窯の一つとして古くから陶器の産地であったが、文化年間(1804年〜)に加藤民吉が九州の有田・天草で磁器の製法を学んで帰郷し、瀬戸で本格的な磁器生産を始めた。これにより瀬戸の窯業は陶器から磁器へと大きく転換し、「新製焼」と呼ばれる染付磁器が急速に発展した。呉須による藍色の絵付けは繊細で品格があり、幕末から明治にかけて輸出品としても好評を博した。平成9年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
瀬戸染付焼は蛙目粘土や陶石を配合した磁器素地を用いる。成形は轆轤挽きを基本とし、型成形も併用される。最大の特徴は呉須(天然コバルト)による手描きの下絵付けで、筆一本で山水・花鳥・人物などの繊細な文様を描き出す。濃淡の表現に「ダミ」と呼ばれる技法を用い、呉須の量を調節して立体感のある描写を実現する。絵付け後に透明釉を掛け、約1300度で本焼きすると、呉須が鮮やかな藍色に発色する。一品一品が手描きのため、それぞれに異なる味わいがある。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料調合
蛙目粘土や陶石を適切な比率で配合して磁器素地用の粘土を調合し、成形に適した状態に丁寧に整える
- 2
成形
轆轤挽きを基本に型成形も併用して器の形を作り、カンナで削って均一で美しい厚みに整える
- 3
素焼き
十分に乾燥させた素地を低温で素焼きし、呉須による繊細な手描き絵付けに適した吸水性を持たせる
- 4
下絵付け
呉須を用いて山水・花鳥・人物などの繊細な文様を筆一本で一筆ずつ手描きし、濃淡の変化を表現する
- 5
ダミ
呉須の量を調節するダミ技法で広い面を塗り分け、立体感と奥行きのある描写を実現する
- 6
施釉
絵付け後の素地に透明釉を均一に掛け、焼成後に呉須が鮮やかな藍色に発色する準備をする
- 7
本焼き
約1300度の高温で本焼きし、呉須が鮮やかな藍色に発色した瀬戸染付焼の磁器に焼き上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
加藤 蒼山
伝統工芸士
蒼山窯
愛知県瀬戸市に生まれ、瀬戸染付焼の絵付け一筋に五十年を捧げてきた。呉須を用いた繊細な染付技法を極め、山水画や花鳥画の絵付けにおいて右に出る者がいないと評される。瀬戸市の陶祖祭では毎年実演を行い、瀬戸染付の技と心を広く伝えている。
制作哲学
瀬戸の染付は、白い磁肌に呉須の青が映える日本の美の結晶である。一筆の濃淡に魂を込め、見る者の心に響く絵付けを追求する。
“呉須の青は、焼き上がるまでどんな色になるか分からない。だからこそ面白いのです。
水野 紗良
若手作家
紗良工房
愛知県出身。瀬戸窯業高校で陶芸の基礎を学び、その後地元の染付職人に師事して技法を習得した。伝統的な瀬戸染付の技法で現代の草花やアニマルモチーフを描く独自のスタイルを確立している。瀬戸市の新世代工芸展で優秀賞を受賞し、注目を集めている。
制作哲学
瀬戸染付の伝統的な技を使って、現代の暮らしに彩りを添える器を作りたい。
“筆先に込めた想いが、窯の中で青く花開く瞬間が大好きです。
FAQ
よくある質問
瀬戸染付焼とは何ですか?▼
愛知県瀬戸市で生産される染付磁器。呉須による藍色の絵付けが特徴。
瀬戸染付焼の産地はどこですか?▼
瀬戸染付焼は愛知県で生産されている陶磁器です。
瀬戸染付焼の技法・特徴は?▼
瀬戸染付焼は蛙目粘土や陶石を配合した磁器素地を用いる。成形は轆轤挽きを基本とし、型成形も併用される。最大の特徴は呉須(天然コバルト)による手描きの下絵付けで、筆一本で山水・花鳥・人物などの繊細な文様を描き出す。濃淡の表現に「ダミ」と呼ばれる技法を用い、呉須の量を調節して立体感のある描写を実現する。絵付け後に透明釉を掛け、約1300度で本焼きすると、呉須が鮮やかな藍色に発色する。一品一品が手描きのため、それぞれに異なる味わいがある。
瀬戸染付焼はどこで購入・体験できますか?▼
愛知県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。愛知県の工芸品については愛知県の伝統工芸品一覧もご覧ください。