漆器
新潟漆器
にいがたしっき
新潟県新潟市で生産される漆器。竹塗や花塗など多彩な塗り技法が特徴。
History
歴史
新潟漆器は江戸時代初期の寛永年間(1624年頃)、北前船の寄港地として商業が栄えた新潟湊の発展と共に漆器生産が始まったとされる。全国各地との交易を通じて多様な漆芸技法が新潟に流入し、それらを吸収しながら独自の発展を遂げた。特に竹塗や花塗、石目塗など他産地にない多彩な変わり塗り技法が生み出された。明治期には海外輸出向け漆器の生産も盛んに行われた。1980年に伝統的工芸品に指定され、多様な塗り技法を持つ漆器産地として知られている。
Technique
技法
新潟漆器は多彩な変わり塗り技法を最大の特徴とする。代表的な竹塗は、漆面に竹の節や表皮の質感を写実的に表現する独特の技法で、何層もの色漆を塗り重ねて研ぎ出すことで本物の竹のような風合いを再現する。花塗は上塗り後に研磨を行わず漆の自然な流れを活かす技法、石目塗は漆に錫粉や炭粉を混ぜて石のような質感を表現する技法である。木地には欅や栃などを使用し、堅下地を施した上に各種の塗り技法を展開する。磨き蒔絵や沈金など加飾技法も豊富である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
木地作り
欅や栃などの良質な木材をろくろ挽きや指物の技法で器の形に成形し、十分に乾燥させて安定した木地を作る
- 2
堅下地
生漆と地の粉を混合した下地材を数回にわたり塗り重ね、各層を乾燥・研磨して堅牢な下地を築く
- 3
中塗り
下地の上に精製漆を均一に塗り、乾燥後に丁寧に研磨して変わり塗りの技法を施す平滑な表面を準備する
- 4
色漆塗重
竹塗や石目塗などの技法に応じて、異なる色の漆を計画的に何層にも塗り重ねて変わり塗りの基礎を作る
- 5
変わり塗り
竹塗では竹の質感を写実的に再現し、石目塗では錫粉や炭粉を混ぜて石の風合いを表現するなど多彩な技法を展開する
- 6
研ぎ出し
塗り重ねた色漆の表面を砥石や炭で丹念に研ぎ出し、下層の色が現れて複雑で美しい斑紋模様を浮かび上がらせる
- 7
仕上げ
研ぎ出した表面に生漆を薄く摺り込んで磨き上げ、変わり塗りの模様が一層深みを増した艶やかな仕上がりにする
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
五十嵐 清一
伝統工芸士
五十嵐漆器店
1949年新潟市中央区古町生まれ。新潟漆器の特徴である竹塗り・花塗りの技法を極め、特に変り塗りの第一人者として知られる。新潟の湿潤な気候が漆の乾燥に適していることを活かし、艶やかな仕上がりの漆器を制作している。
制作哲学
新潟の風土が育んだ多彩な塗り技法こそ、新潟漆器の誇りである。先人たちの創意工夫を受け継ぎ、さらに発展させることが務めだ。
“竹塗りの模様は、新潟の職人が編み出した世界に誇る技法です。
小林 奏太
若手作家
漆工房 湊
1991年新潟県三条市生まれ。東京藝術大学大学院で漆芸を研究した後、新潟に戻り新潟漆器の工房で修業を積んだ。伝統的な竹塗り技法をベースにしつつ、モダンなカラーリングを取り入れた作品が注目を集めている。
制作哲学
新潟漆器の変り塗りの自由な精神を受け継ぎ、現代の感性で新しい漆の表現に挑みたい。
“伝統工芸だからこそ、時代に合わせた新しい挑戦が必要だと感じています。
FAQ
よくある質問
新潟漆器とは何ですか?▼
新潟県新潟市で生産される漆器。竹塗や花塗など多彩な塗り技法が特徴。
新潟漆器の産地はどこですか?▼
新潟漆器は新潟県で生産されている漆器です。
新潟漆器の技法・特徴は?▼
新潟漆器は多彩な変わり塗り技法を最大の特徴とする。代表的な竹塗は、漆面に竹の節や表皮の質感を写実的に表現する独特の技法で、何層もの色漆を塗り重ねて研ぎ出すことで本物の竹のような風合いを再現する。花塗は上塗り後に研磨を行わず漆の自然な流れを活かす技法、石目塗は漆に錫粉や炭粉を混ぜて石のような質感を表現する技法である。木地には欅や栃などを使用し、堅下地を施した上に各種の塗り技法を展開する。磨き蒔絵や沈金など加飾技法も豊富である。
新潟漆器はどこで購入・体験できますか?▼
新潟県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。新潟県の工芸品については新潟県の伝統工芸品一覧もご覧ください。