漆器
浄法寺塗
じょうぼうじぬり
岩手県二戸市浄法寺で生産される漆器。国産漆を使った堅実な塗りが特徴。
History
歴史
浄法寺塗は岩手県二戸市浄法寺町に伝わる歴史ある漆器で、奈良時代に天台寺が建立された際に僧侶が漆器を作ったことに始まるとされる。浄法寺地区は日本最大の漆の産地として知られ、国産天然漆の約七割を生産している。江戸時代には南部藩の保護のもと、地元産の漆をふんだんに用いた素朴な日用漆器の生産が盛んに行われた。1985年に伝統的工芸品に指定された。華美な装飾を排した実用本位の漆器として、漆そのものの本来の美しさを現代に伝えている。
Technique
技法
浄法寺塗は地元浄法寺産の良質な国産天然漆を贅沢に使用することが最大の特徴である。木地にはブナやトチなど地元の山林から伐り出した木材を用い、ろくろ挽きで椀や皿などの形に成形する。下地は生漆と地の粉による本堅地を丁寧に施し、中塗り・上塗りには精製した浄法寺漆を用いる。装飾を最小限に抑え、漆そのものが持つ深い色艶を最大限に活かす塗り上げ仕上げが基本である。朱塗りや溜塗りなど漆本来の色味を活かした仕上げが多く、使い込むほどに透明感と艶が増す経年変化が楽しめる。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木地作り
ブナやトチなど地元の山林から伐り出した木材をろくろ挽きで椀や皿などの形に丁寧に成形する
- 2
下地固め
木地に浄法寺産の良質な生漆を塗布して木材の内部に浸透させ、目を固めて堅牢な下地の基礎を作る
- 3
本堅下地
生漆と地の粉を混ぜた下地材を丁寧に塗り重ね、各層の乾燥と研磨を繰り返して堅牢で平滑な下地を築く
- 4
中塗り
精製した浄法寺漆を均一に塗り、乾燥後に砥石で丁寧に水研ぎして上塗りのための滑らかな表面を整える
- 5
上塗り
良質な浄法寺漆を朱塗りや溜塗りなどの技法で丁寧に塗り上げ、漆本来の深い色艶を最大限に引き出す
- 6
仕上げ
装飾を最小限に抑えた塗り上げ仕上げを施し、使い込むほどに透明感と艶が増す経年変化を楽しめる漆器に完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
畠山 文蔵
伝統工芸士
畠山漆工房
1948年岩手県二戸市浄法寺町生まれ。国産漆の最大産地である浄法寺で漆掻きと塗りの両方を手がける稀有な職人。自ら採取した浄法寺漆のみを使用し、飾り気のない素朴で堅牢な日用漆器を一貫して作り続けている。
制作哲学
この土地で採れた漆で、この土地の人が使う器を作る。それが浄法寺塗の原点であり、最も大切にしていることだ。
“漆を掻き、漆を塗る。漆とともに生きる暮らしがここにはあります。
松田 遥
若手作家
1994年岩手県盛岡市生まれ。岩手大学で地域文化を学ぶ中で浄法寺漆に出会い、その素朴な美しさに惹かれた。漆掻きの技術も習得し、国産漆の生産から器づくりまでを一貫して行うことにこだわっている。
制作哲学
国産漆の文化を守ることは、日本のものづくりの根幹を守ることだと信じています。
“自分で掻いた漆で器を作ると、山の命をいただいているという実感が湧きます。
FAQ
よくある質問
浄法寺塗とは何ですか?▼
岩手県二戸市浄法寺で生産される漆器。国産漆を使った堅実な塗りが特徴。
浄法寺塗の産地はどこですか?▼
浄法寺塗は岩手県で生産されている漆器です。
浄法寺塗の技法・特徴は?▼
浄法寺塗は地元浄法寺産の良質な国産天然漆を贅沢に使用することが最大の特徴である。木地にはブナやトチなど地元の山林から伐り出した木材を用い、ろくろ挽きで椀や皿などの形に成形する。下地は生漆と地の粉による本堅地を丁寧に施し、中塗り・上塗りには精製した浄法寺漆を用いる。装飾を最小限に抑え、漆そのものが持つ深い色艶を最大限に活かす塗り上げ仕上げが基本である。朱塗りや溜塗りなど漆本来の色味を活かした仕上げが多く、使い込むほどに透明感と艶が増す経年変化が楽しめる。
浄法寺塗はどこで購入・体験できますか?▼
岩手県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。岩手県の工芸品については岩手県の伝統工芸品一覧もご覧ください。