赤間硯

文具

赤間硯

あかますずり

山口県

山口県で産出する赤間石を用いた硯。きめ細かい石質で墨の下りが良い。

History

歴史

赤間硯は山口県で生産される硯で、その起源は鎌倉時代にさかのぼるとされる。赤間関(現・下関市)付近で産出される赤紫色の赤間石を用いた硯づくりが始まったのがその起源である。室町時代には大内氏の保護を受け、江戸時代には毛利藩の御用硯として珍重された。赤間石は緻密な粒子構造を持ち、墨のおりが良いことで書家に愛用されてきた。1976年に伝統的工芸品に指定された。端渓硯に比肩する日本の名硯として知られている。

Technique

技法

赤間硯の製造は、まず赤間石の原石を採掘するところから始まる。赤間石は輝緑凝灰岩の一種で、赤紫色の美しい石目が特徴である。原石を荒割りして大まかな形を作り、のみや彫刻刀で丁寧に形を整えていく。墨をする面(墨堂)は平滑に仕上げ、墨池は深く彫り込む。側面や裏面には山水・雲龍・松竹梅などの伝統的な文様を彫刻する。最後に砥石で磨き上げ、漆を薄く塗って仕上げる。赤間石の微細な粒子が墨を効率よく磨り下ろす優れた硯となる。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    原石採掘

    赤紫色の美しい石目を持つ輝緑凝灰岩の一種である赤間石を山から採掘し、良質な原石を選別する

  2. 2

    荒割り

    採掘した原石をのみと金槌で大まかな硯の形に割り出し、硯としての基本的な寸法に整える

  3. 3

    形成彫り

    のみや彫刻刀を用いて硯の全体的な形を丁寧に整え、墨堂と墨池の位置を決めて彫り込む

  4. 4

    墨堂仕上げ

    墨をする面である墨堂を平滑かつ微細な凹凸を持たせて仕上げ、効率よく墨が磨れる面を作る

  5. 5

    文様彫刻

    硯の側面や裏面に山水・雲龍・松竹梅などの伝統的な文様を彫刻刀で精緻に彫り込む

  6. 6

    研磨

    砥石で硯全体を丹念に磨き上げ、赤間石本来の赤紫色の光沢と美しい石目を引き出す

  7. 7

    漆塗り仕上げ

    磨き上げた硯の表面に漆を薄く塗って保護し、深みのある色合いと耐久性を持たせて完成させる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

堀 清之助

伝統工芸士

堀硯堂

山口県宇部市に生まれ、赤間石の採掘から硯の彫刻まで一貫して手がける赤間硯職人の四代目。赤紫色の美しい石肌と優れた墨おりを両立させる技術は全国の書道愛好家に高く評価されている。五十年以上にわたり、硯づくり一筋に歩んできた。

制作哲学

赤間石は三億年の地球の記憶を持つ石。その悠久の時間に恥じない硯を彫ることが私の使命である。

石を割った瞬間に見える石目で、どんな硯になるかが分かる。それが五十年の経験です。

中島 悠太

若手職人

山口県立大学で地域文化を学んだ後、消滅の危機にある赤間硯の技術を守りたいと志し、伝統工芸士に師事。硯彫りの基本技術を習得しながら、書道教室や文化施設と連携した赤間硯の普及活動にも積極的に取り組んでいる。

制作哲学

硯は書の原点。墨を磨る静かな時間の中にある豊かさを、多くの人に知ってほしい。

赤間石を彫るたびに、この石が海底で眠っていた太古の時間を感じるんです。

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FAQ

よくある質問

赤間硯とは何ですか?

山口県で産出する赤間石を用いた硯。きめ細かい石質で墨の下りが良い。

赤間硯の産地はどこですか?

赤間硯山口県で生産されている文具です。

赤間硯の技法・特徴は?

赤間硯の製造は、まず赤間石の原石を採掘するところから始まる。赤間石は輝緑凝灰岩の一種で、赤紫色の美しい石目が特徴である。原石を荒割りして大まかな形を作り、のみや彫刻刀で丁寧に形を整えていく。墨をする面(墨堂)は平滑に仕上げ、墨池は深く彫り込む。側面や裏面には山水・雲龍・松竹梅などの伝統的な文様を彫刻する。最後に砥石で磨き上げ、漆を薄く塗って仕上げる。赤間石の微細な粒子が墨を効率よく磨り下ろす優れた硯となる。

赤間硯はどこで購入・体験できますか?

山口県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。山口県の工芸品については山口県の伝統工芸品一覧もご覧ください。