奈良筆

文具

奈良筆

ならふで

奈良県

奈良県で生産される毛筆。筆作りの発祥地として千年以上の伝統を持つ。

History

歴史

奈良筆は奈良県奈良市および周辺地域で生産される毛筆で、その起源は弘法大師空海が中国から筆の製法を持ち帰り、奈良の筆師に伝えたことに始まるとされる。平安時代初期のことであり、日本の筆づくりの原点である。奈良は古くから寺社が多く、写経や学問の中心地であったため、良質な筆の需要が高かった。室町時代以降は一般にも広まり、1977年に伝統的工芸品に指定された。日本最古の筆の産地として、千年以上の伝統を誇る。

Technique

技法

奈良筆の製造は、原毛の選別から始まる。タヌキ・イタチ・馬・鹿・山羊などの動物の毛を用途に応じて使い分ける。まず原毛を灰や米ぬかで丁寧に洗い、毛質を均一にするため「火のし」で整える。次に「練り混ぜ」と呼ばれる技法で異なる毛を混合し、「芯立て」で筆の中心となる芯毛を作る。芯毛の周りに上毛を巻いて穂先を形成し、糸で締めて軸に接着する。奈良筆の特徴は「練り混ぜ」技法による墨含みの良さと穂先のまとまりにある。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    原毛選別

    タヌキ・イタチ・馬・鹿・山羊など用途に応じた動物の毛を厳選し、品質ごとに分類する

  2. 2

    毛洗い

    原毛を灰や米ぬかで丁寧に洗浄し、油脂を除去して筆に適した清浄な毛に仕上げる

  3. 3

    火のし

    洗浄した毛を火のし(加熱した金属板)で整え、毛のくせを直して質感を均一に揃える

  4. 4

    練り混ぜ

    異なる種類の毛を水中で混合する奈良筆独自の技法で、墨含みの良さと穂先のまとまりを決定する

  5. 5

    芯立て

    練り混ぜた毛から筆の中心となる芯毛を円錐状に形成し、穂先の弾力と書き味の基礎を作る

  6. 6

    上毛巻き

    芯毛の周囲に選別した上質な毛を巻き付けて穂先の外形を整え、美しい形状に仕上げる

  7. 7

    軸固め

    穂先を糸で締めて軸に接着し、糊で固めた後に形を最終調整して筆を完成させる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

吉岡 伝右衛門

伝統工芸士

吉岡筆舗

奈良市に生まれ、空海が唐から伝えた筆づくりの伝統を受け継ぐ工房の八代目として修行を始める。鹿毛・狸毛・羊毛など多種多様な獣毛を扱い、書道家や日本画家の求めに応じた特注筆の製作で全国的に高い評価を得ている。五十年以上の経験を持つ奈良筆の第一人者。

制作哲学

筆は書き手の心を紙に伝える橋渡し。使う人の手に馴染み、思い通りの線を引ける筆を作ることが職人の本懐である。

良い筆とは、持った瞬間に手の延長になる筆。そのために毛の一本一本と語り合うのです。

松田 かおり

若手職人

奈良教育大学で書道を学んだ後、自分が使う筆を自分で作りたいという思いから奈良筆の職人の道へ。伝統工芸士のもとで七年間修行し、現在は書道用の筆に加え、化粧筆や水彩画用の筆など新しい分野にも挑戦している。

制作哲学

筆を作る者として、書く喜びを知る者でありたい。その両方の視点が、より良い筆を生む。

奈良筆千二百年の歴史は、一本一本の筆を丁寧に作り続けた職人たちの積み重ねなんです。

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FAQ

よくある質問

奈良筆とは何ですか?

奈良県で生産される毛筆。筆作りの発祥地として千年以上の伝統を持つ。

奈良筆の産地はどこですか?

奈良筆奈良県で生産されている文具です。

奈良筆の技法・特徴は?

奈良筆の製造は、原毛の選別から始まる。タヌキ・イタチ・馬・鹿・山羊などの動物の毛を用途に応じて使い分ける。まず原毛を灰や米ぬかで丁寧に洗い、毛質を均一にするため「火のし」で整える。次に「練り混ぜ」と呼ばれる技法で異なる毛を混合し、「芯立て」で筆の中心となる芯毛を作る。芯毛の周りに上毛を巻いて穂先を形成し、糸で締めて軸に接着する。奈良筆の特徴は「練り混ぜ」技法による墨含みの良さと穂先のまとまりにある。

奈良筆はどこで購入・体験できますか?

奈良県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。奈良県の工芸品については奈良県の伝統工芸品一覧もご覧ください。