木工品・竹工品
仙台箪笥
せんだいたんす
宮城県仙台市で生産される箪笥。欅材の木地呂塗りと鉄製の手打ち金具が特徴。
History
歴史
仙台箪笥は宮城県仙台市を中心に製作される伝統的な箪笥で、江戸時代後期の文化年間(1804〜1818年)に仙台藩の武士が刀や武具を収納するために作らせたのが始まりとされる。仙台藩は木工や漆工、金工の職人を保護育成しており、その技術が箪笥製作に結集した。明治時代には嫁入り道具として広く普及し、重厚で豪華な金具装飾が特徴として確立された。2015年に国の伝統的工芸品に指定。木地・漆塗り・金具の三つの技が融合した仙台の誇る総合工芸品である。
Technique
技法
仙台箪笥は木地、漆塗り、金具製作の三つの工程からなる総合工芸品である。木地にはケヤキを主材とし、板を組み合わせて堅牢な箱体を作る。表面には木地呂塗りと呼ばれる技法で漆を塗り重ね、ケヤキの木目が透けて見える深みのある仕上がりとなる。漆は十数回塗り重ねられ、独特の光沢と耐久性を生む。金具は鉄板を手打ちで成形し、透かし彫りや毛彫りで牡丹唐草などの文様を施す。この豪華な手打ち金具が仙台箪笥最大の特徴であり、実用性と装飾美を兼ね備えている。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木地作り
主材のケヤキを厳選し、板を精密に加工して組み合わせ、堅牢な箱体と引き出しの木地を作る
- 2
木地調整
組み上がった木地の表面を鉋で平滑に仕上げ、漆が均一に乗るよう丁寧に整える
- 3
下地塗り
木地に砥の粉と漆を混ぜた下地を塗り、乾燥させてから研ぎ、漆塗りの基盤を作る
- 4
木地呂塗り
透明感のある漆を十数回塗り重ねる木地呂塗りを施し、ケヤキの木目が透けて見える深い光沢を出す
- 5
金具製作
鉄板を手打ちで成形し、透かし彫りや毛彫りで牡丹唐草などの文様を施した豪華な金具を作る
- 6
金具取付け
手打ちの金具を箪笥の引き出しや扉に正確に取り付け、実用性と装飾美を兼ね備えた箪笥に完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
熊谷 幸雄
伝統工芸士
熊谷木工所
宮城県仙台市に生まれ、仙台箪笥の木地師・塗師・金具師の三職のうち、木地師として五十年のキャリアを持つ。欅の厚板を用いた堅牢な箪笥づくりに定評があり、仙台藩の武家文化を受け継ぐ重厚な作品を数多く手がけてきた。仙台箪笥協同組合の技術指導員を務める。
制作哲学
仙台箪笥は木地・漆・金具の三位一体。木地師として土台となる箪笥の骨格を万全に仕上げることが、百年使える家具を生む第一歩。
“欅という木は硬くて扱いにくいが、その分だけ仕上がりの美しさと堅牢さは他の木に勝る。
佐々木 遥
若手職人
東北芸術工科大学で家具デザインを専攻した後、仙台箪笥の金具師に弟子入り。牡丹や唐草などの伝統的な文様を鉄に打ち出す手打ち金具の技術を修行中。伝統工芸とモダンデザインの融合をテーマに、新しい仙台箪笥のスタイルを模索している。
制作哲学
仙台箪笥の鉄金具には武士の美学が生きている。その力強さを現代に受け継ぎたい。
“真っ赤に焼けた鉄を叩くとき、伊達藩の職人たちと時を超えてつながる感覚があります。
FAQ
よくある質問
仙台箪笥とは何ですか?▼
宮城県仙台市で生産される箪笥。欅材の木地呂塗りと鉄製の手打ち金具が特徴。
仙台箪笥の産地はどこですか?▼
仙台箪笥は宮城県で生産されている木工品・竹工品です。
仙台箪笥の技法・特徴は?▼
仙台箪笥は木地、漆塗り、金具製作の三つの工程からなる総合工芸品である。木地にはケヤキを主材とし、板を組み合わせて堅牢な箱体を作る。表面には木地呂塗りと呼ばれる技法で漆を塗り重ね、ケヤキの木目が透けて見える深みのある仕上がりとなる。漆は十数回塗り重ねられ、独特の光沢と耐久性を生む。金具は鉄板を手打ちで成形し、透かし彫りや毛彫りで牡丹唐草などの文様を施す。この豪華な手打ち金具が仙台箪笥最大の特徴であり、実用性と装飾美を兼ね備えている。
仙台箪笥はどこで購入・体験できますか?▼
宮城県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。宮城県の工芸品については宮城県の伝統工芸品一覧もご覧ください。