波佐見焼

陶磁器

波佐見焼

はさみやき

長崎県

長崎県波佐見町で生産される磁器。日用食器の大量生産地として知られる。

History

歴史

波佐見焼は長崎県東彼杵郡波佐見町で生産される磁器である。慶長4年(1599年)、大村藩主・大村喜前が朝鮮出兵の際に連れ帰った陶工たちにより窯が開かれたのが始まりである。当初は陶器を焼いていたが、17世紀前半に良質な陶石が発見されて磁器の生産に移行した。江戸時代には「くらわんか碗」と呼ばれる庶民向けの安価な磁器を大量生産し、日本全国に流通させた。また、コンプラ瓶と呼ばれる醤油・酒の輸出用瓶も生産した。現在はモダンなデザインの日用食器で人気を博している。

Technique

技法

波佐見焼は天草陶石を主原料とし、型による成形(鋳込み成形)が多く用いられる。石膏型に泥漿(液状の磁土)を流し込む技法により、均一で量産性の高い製品を効率的に生産する。絵付けは呉須による染付(藍色の下絵付け)が伝統的で、手描きのほかに転写紙(銅版転写)も活用される。素焼き後に下絵付けと施釉を行い、約1300度の高温で本焼きする。近年は現代的なデザインと伝統技術を融合させた製品開発が盛んで、白磁の美しさを活かした食器が国内外で高い評価を得ている。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    原料調合

    天草陶石を主原料として砕き、水簸と精製を行って鋳込み成形に適した液状の泥漿を調合する

  2. 2

    成形

    石膏型に泥漿を流し込む鋳込み成形の技法で均一な製品を効率的に作り、型から取り外して整える

  3. 3

    乾燥

    成形した素地を温度と湿度を管理しながら均一に乾燥させ、収縮による変形を防ぎつつ水分を除去する

  4. 4

    素焼き

    乾燥した素地を低温で素焼きし、呉須の下絵付けと透明釉の施釉に適した吸水性を持たせる

  5. 5

    下絵付け

    呉須による手描きの染付や銅版転写の技法を用いて藍色の繊細な文様を素焼き素地に丁寧に施す

  6. 6

    施釉

    下絵付けした素地に透明釉を均一にむらなく掛け、白磁の美しさを最大限に引き出す準備を整える

  7. 7

    本焼き

    約1300度の高温で本焼きし、天草陶石の白さが映える緻密で透明感のある白磁の器に焼き上げる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

中尾 茂雄

伝統工芸士

中尾製陶所

長崎県波佐見町に生まれ、波佐見焼の生地師として四十年以上のキャリアを持つ。分業制が特徴の波佐見焼において、型作りから生地成形までを一貫して手掛ける熟練の職人である。庶民の器としての波佐見焼の伝統を守りながら、量産品にも手仕事の温かみを込めることにこだわっている。

制作哲学

波佐見焼は庶民の暮らしを支えてきた器である。丈夫で使いやすく、手に取って温かみを感じる器を作り続けたい。

毎日使われる器だからこそ、一つ一つに心を込めて作っています。

山口 楓

若手作家

長崎県出身。多摩美術大学でプロダクトデザインを学んだ後、波佐見町に戻り窯元に就職。デザイナーとしての視点と波佐見焼の量産技術を融合させ、シンプルでスタイリッシュな食器シリーズを企画・制作している。オンラインを中心とした販路開拓にも力を入れ、若い世代への波佐見焼の浸透に貢献している。

制作哲学

波佐見焼の『日用の美』を、現代のデザイン言語で再定義したい。

デザインと量産技術の両立こそ、波佐見焼の最大の強みです。

波佐見焼をもっと楽しむ

外部サイトに遷移します

共有

FAQ

よくある質問

波佐見焼とは何ですか?

長崎県波佐見町で生産される磁器。日用食器の大量生産地として知られる。

波佐見焼の産地はどこですか?

波佐見焼長崎県で生産されている陶磁器です。

波佐見焼の技法・特徴は?

波佐見焼は天草陶石を主原料とし、型による成形(鋳込み成形)が多く用いられる。石膏型に泥漿(液状の磁土)を流し込む技法により、均一で量産性の高い製品を効率的に生産する。絵付けは呉須による染付(藍色の下絵付け)が伝統的で、手描きのほかに転写紙(銅版転写)も活用される。素焼き後に下絵付けと施釉を行い、約1300度の高温で本焼きする。近年は現代的なデザインと伝統技術を融合させた製品開発が盛んで、白磁の美しさを活かした食器が国内外で高い評価を得ている。

波佐見焼はどこで購入・体験できますか?

長崎県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。長崎県の工芸品については長崎県の伝統工芸品一覧もご覧ください。