漆器
高岡漆器
たかおかしっき
富山県高岡市で生産される漆器。青貝塗や勇助塗など独自の技法が特徴。
History
歴史
高岡漆器は江戸時代初期の慶長14年(1609年)、加賀藩二代藩主・前田利長が高岡城を築き城下町を開いた際に、武具や調度品の漆塗りを始めたことに起源を持つ。商工業の街として発展した高岡で漆器産業も着実に成長を遂げた。明治時代には辻丹甫が青貝塗の技法を大成させ、精緻な螺鈿技法として全国に広く知られるようになった。勇助塗や彫刻塗など多彩な技法が花開き、1975年に伝統的工芸品に指定された。富山県を代表する伝統工芸品として親しまれている。
Technique
技法
高岡漆器は青貝塗・勇助塗・彫刻塗の三つの技法を特徴とする。青貝塗は鮑や夜光貝の薄片を極めて細かく切り分け、漆面に精密に貼り付けて文様を表現する螺鈿技法で、貝が放つ虹色の輝きが華やかである。勇助塗は錆絵や箔絵に青貝を巧みに組み合わせた総合的な加飾技法で、多彩な素材を駆使した豪華な仕上げとなる。彫刻塗は厚く塗り重ねた漆面に文様を彫刻し、彩色を施す技法である。木地にはケヤキやトチを用い、堅下地を施した上にそれぞれの技法を展開する。
Process
制作工程
全7工程
- 1
木地作り
ケヤキやトチなどの良質な木材をろくろ挽きや指物の技法で器の形に精密に成形する
- 2
堅下地
生漆と地の粉を混合した下地材を丁寧に塗り重ね、各層の乾燥と研磨を入念に繰り返して堅牢な下地を作る
- 3
上塗り
精製漆を刷毛で均一に塗り上げ、青貝塗や勇助塗などの加飾技法を施すための深みある漆の塗膜を形成する
- 4
青貝加飾
鮑や夜光貝の薄片を極めて細かく切り分け、漆面に精密に貼り付けて虹色に輝く華やかな螺鈿文様を表現する
- 5
勇助塗
錆絵や箔絵に青貝を巧みに組み合わせ、多彩な素材を駆使した総合的で豪華な加飾を施す
- 6
彫刻塗
厚く塗り重ねた漆面に文様を彫刻し、彩色を施して立体的で華やかな装飾を表現する
- 7
仕上げ
加飾部分に漆を薄く塗り重ねて保護し、全体を磨き上げて三技法が調和した美しい漆器に完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
砺波 勇次
伝統工芸士
砺波漆器工房
1949年富山県高岡市生まれ。高岡漆器の特徴である青貝塗と勇助塗の技法を極めた職人。鮑貝の薄片を漆器に貼り付ける精緻な螺鈿技法において、国内屈指の腕前を持つ。高岡市文化功労賞を受賞している。
制作哲学
高岡漆器の青貝塗は、光の角度で表情が変わる生きた工芸である。貝の持つ自然の輝きを最大限に引き出すことが職人の務めだ。
“青貝の輝きは人が作ったものではない。自然が生んだ美を、漆の力で永遠にするのです。
能登 佳純
若手作家
1993年富山県射水市生まれ。富山大学芸術文化学部で漆工を専攻し、高岡漆器の螺鈿技法に強い関心を持った。伝統的な青貝塗りの技術を基盤に、ジュエリーやインテリアパネルなど新しいジャンルへの漆器表現の展開に取り組んでいる。
制作哲学
高岡漆器の螺鈿が持つ宝石のような美しさを、もっと多くの場面で楽しめる形にしたい。
“貝殻の虹色の輝きを漆に閉じ込める作業は、宝物を作っているようで夢中になります。
FAQ
よくある質問
高岡漆器とは何ですか?▼
富山県高岡市で生産される漆器。青貝塗や勇助塗など独自の技法が特徴。
高岡漆器の産地はどこですか?▼
高岡漆器は富山県で生産されている漆器です。
高岡漆器の技法・特徴は?▼
高岡漆器は青貝塗・勇助塗・彫刻塗の三つの技法を特徴とする。青貝塗は鮑や夜光貝の薄片を極めて細かく切り分け、漆面に精密に貼り付けて文様を表現する螺鈿技法で、貝が放つ虹色の輝きが華やかである。勇助塗は錆絵や箔絵に青貝を巧みに組み合わせた総合的な加飾技法で、多彩な素材を駆使した豪華な仕上げとなる。彫刻塗は厚く塗り重ねた漆面に文様を彫刻し、彩色を施す技法である。木地にはケヤキやトチを用い、堅下地を施した上にそれぞれの技法を展開する。
高岡漆器はどこで購入・体験できますか?▼
富山県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。富山県の工芸品については富山県の伝統工芸品一覧もご覧ください。