陶磁器
丹波立杭焼
たんばたちくいやき
兵庫県丹波篠山市で生産される陶器。日本六古窯の一つで登り窯による焼成が特徴。
History
歴史
丹波立杭焼は兵庫県丹波篠山市今田町立杭地区で生産される陶器で、日本六古窯の一つに数えられる。その起源は平安時代末期から鎌倉時代初期(12世紀後半)に遡るとされ、約850年の歴史を持つ。当初は壺や甕などの日用雑器を生産し、桃山時代には茶陶も手掛けるようになった。江戸時代には小堀遠州の指導を受けて茶器の製作が盛んになり、赤土部釉など独自の釉薬が発展した。昭和53年に伝統的工芸品に指定され、現在も約60の窯元が伝統を守っている。
Technique
技法
丹波立杭焼は地元で採れる鉄分を多く含む陶土を使用する。成形は主に蹴轆轤による手挽きで行われ、素朴で力強い造形が特徴である。古来の技法として「穴窯」による長時間焼成があり、自然釉(ビードロ釉)と呼ばれる灰が溶けて器に降りかかった自然の釉薬が独特の景色を生む。赤土部釉、黒釉、白釉などの伝統釉薬も用いられる。焼成温度は約1300度で、登り窯での焼成により窯変と呼ばれる予測不能な色や模様の変化が生まれ、一つとして同じものがない味わいを持つ。
Process
制作工程
全7工程
- 1
土作り
地元で採れる鉄分を多く含む陶土を採取し、水簸や練りの工程で成形に適した状態に整える
- 2
成形
蹴轆轤を用いた手挽きで器を成形し、素朴で力強い丹波立杭焼ならではの造形を作り上げる
- 3
乾燥
成形した器を風通しの良い場所で十分に自然乾燥させ、焼成時のひび割れを防ぐ
- 4
施釉
赤土部釉、黒釉、白釉などの伝統的な釉薬を器に掛け、焼成で生まれる変化を見据えて施す
- 5
窯詰め
登り窯や穴窯に器を配置し、灰の掛かり具合や炎の当たり方を考慮して窯内の位置を決める
- 6
焼成
約1300度の高温で長時間焼成し、灰が溶けた自然釉や窯変による予測不能な色と模様の変化を生む
- 7
窯出し
焼成後に窯を徐々に冷まして器を取り出し、自然釉の景色や窯変の表情を確認して選別する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
市野 清右衛門
伝統工芸士
清右衛門窯
兵庫県丹波篠山市今田町に生まれ、日本六古窯の一つに数えられる丹波立杭焼の窯元を継承。登り窯での焼成にこだわり、灰被りや自然釉の偶然の美を追求する作品を50年以上にわたり制作してきた。丹波焼の里を代表する陶芸家として広く知られている。
制作哲学
丹波焼は土と火と灰が生み出す自然の芸術。人の手を超えた窯の力を信じ、委ねることが大切です。
“登り窯を焚く三日三晩、窯の神様に祈り続ける。その結果が作品の表情に表れるのです。
大西 綾香
若手作家
綾香窯
兵庫県出身。京都の陶芸専門学校を卒業後、丹波焼の素朴で力強い風合いに魅せられ丹波篠山市に移住。登り窯と電気窯の両方を使い分けながら、伝統的な丹波焼の良さを活かした日常使いの器や、カフェ向けの食器を制作している。
制作哲学
800年の歴史ある丹波焼の土の温もりを、現代の暮らしの中で身近に感じてもらいたい。
“丹波の土は粘り強くて温かい。この土でなければ出せない表情があるのです。
FAQ
よくある質問
丹波立杭焼とは何ですか?▼
兵庫県丹波篠山市で生産される陶器。日本六古窯の一つで登り窯による焼成が特徴。
丹波立杭焼の産地はどこですか?▼
丹波立杭焼は兵庫県で生産されている陶磁器です。
丹波立杭焼の技法・特徴は?▼
丹波立杭焼は地元で採れる鉄分を多く含む陶土を使用する。成形は主に蹴轆轤による手挽きで行われ、素朴で力強い造形が特徴である。古来の技法として「穴窯」による長時間焼成があり、自然釉(ビードロ釉)と呼ばれる灰が溶けて器に降りかかった自然の釉薬が独特の景色を生む。赤土部釉、黒釉、白釉などの伝統釉薬も用いられる。焼成温度は約1300度で、登り窯での焼成により窯変と呼ばれる予測不能な色や模様の変化が生まれ、一つとして同じものがない味わいを持つ。
丹波立杭焼はどこで購入・体験できますか?▼
兵庫県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。兵庫県の工芸品については兵庫県の伝統工芸品一覧もご覧ください。