木工品・竹工品
大阪泉州桐箪笥
おおさかせんしゅうきりたんす
大阪府岸和田市周辺で生産される桐箪笥。軽くて防湿性に優れた衣装収納家具。
History
歴史
大阪泉州桐箪笥は大阪府南部の泉州地域で製作される桐箪笥で、江戸時代後期の天保年間(1830〜1844年)に始まったとされる。泉州地域は古くから木工業が盛んで、紀州や四国から良質な桐材が入手しやすい立地にあった。明治以降は大阪の都市化とともに需要が拡大し、婚礼調度品として広く普及した。1989年に国の伝統的工芸品に指定された。桐の調湿性・防虫性・軽量性を活かした機能美と、熟練の指物技術による精密な作りが泉州桐箪笥の持ち味である。
Technique
技法
大阪泉州桐箪笥は厳選した桐材を数年間かけてアク抜き・天日乾燥させた後に使用する。板材は鉋で精密に削り、ほぞ組みや蟻組みなど釘を使わない伝統的な接合技法で組み立てる。引き出しの精度は極めて高く、一つを押すと他の引き出しが浮き上がるほどの気密性を持つ。表面仕上げは砥の粉と蝋を用いた「砥の粉仕上げ」が基本で、桐の白い木肌を美しく際立たせる。泉州独特の特徴として、引き出しの底板に杉材を用い、衣類の保存に適した香りと防虫効果を持たせる工夫がある。
Process
制作工程
全7工程
- 1
桐材選別
厳選した桐材を数年間かけて屋外でアク抜きと天日乾燥を繰り返し、安定した良質な材を準備する
- 2
板材加工
乾燥した桐材を鉋で精密に削り、前板・側板・天板・底板の各部材を所定の寸法に正確に仕上げる
- 3
組立て
ほぞ組みや蟻組みなど釘を使わない伝統的な接合技法で部材を組み合わせ、堅牢な箱体を作る
- 4
引出し調整
一つの引き出しを押すと他が浮き上がるほどの気密性を持たせるよう精密に擦り合わせて調整する
- 5
底板仕込み
泉州独自の工夫として引き出しの底板に杉材を用い、衣類の保存に適した香りと防虫効果を持たせる
- 6
砥の粉仕上げ
砥の粉と蝋を用いた伝統的な表面仕上げを施し、桐の白い木肌を美しく際立たせる
- 7
金具取付け
装飾金具と引き手を丁寧に取り付けて最終調整を行い、機能美と格調を備えた桐箪笥に完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
岡本 松之助
伝統工芸士
岡本桐箪笥製作所
大阪府岸和田市に生まれ、泉州地域の桐箪笥づくりを代々受け継ぐ家系の五代目。泉州桐箪笥の特徴である漆塗りの金具と総桐造りの精緻な技術で知られ、婚礼箪笥を中心に四十八年間一筋に桐箪笥を作り続けてきた。
制作哲学
泉州桐箪笥は大阪商人の文化が育んだ実用の美。見えない内部の仕上げにも一切手を抜かないのが泉州の職人気質。
“桐箪笥は「一生もの」ではなく「三代もの」。孫の代まで使える箪笥を作るのが私の信条です。
南 彩花
若手職人
桐匠工房 泉
近畿大学建築学部を卒業後、伝統家具の構造美に興味を持ち、大阪泉州桐箪笥の工房に弟子入り。桐材の加工から金具の取り付けまで一通りの技術を習得中。桐箪笥の洗い替え(リフォーム)サービスの展開にも力を入れ、古い箪笥に新しい命を吹き込む活動を行っている。
制作哲学
桐箪笥を修理して甦らせることは、ものを大切にする日本の心を未来につなぐこと。
“何十年も使われた桐箪笥を洗い替えで蘇らせたとき、持ち主の笑顔が最高のご褒美です。
FAQ
よくある質問
大阪泉州桐箪笥とは何ですか?▼
大阪府岸和田市周辺で生産される桐箪笥。軽くて防湿性に優れた衣装収納家具。
大阪泉州桐箪笥の産地はどこですか?▼
大阪泉州桐箪笥は大阪府で生産されている木工品・竹工品です。
大阪泉州桐箪笥の技法・特徴は?▼
大阪泉州桐箪笥は厳選した桐材を数年間かけてアク抜き・天日乾燥させた後に使用する。板材は鉋で精密に削り、ほぞ組みや蟻組みなど釘を使わない伝統的な接合技法で組み立てる。引き出しの精度は極めて高く、一つを押すと他の引き出しが浮き上がるほどの気密性を持つ。表面仕上げは砥の粉と蝋を用いた「砥の粉仕上げ」が基本で、桐の白い木肌を美しく際立たせる。泉州独特の特徴として、引き出しの底板に杉材を用い、衣類の保存に適した香りと防虫効果を持たせる工夫がある。
大阪泉州桐箪笥はどこで購入・体験できますか?▼
大阪府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。大阪府の工芸品については大阪府の伝統工芸品一覧もご覧ください。