漆器
津軽塗
つがるぬり
青森県弘前市を中心に生産される漆器。唐塗や七々子塗など独特の研ぎ出し変わり塗りが特徴。
History
歴史
津軽塗は江戸時代前期の1655年頃、津軽藩四代藩主・津軽信政が藩の産業振興のため漆工技術を奨励したことに始まる。藩お抱えの塗師・池田源兵衛が独自の研ぎ出し変わり塗り技法を創始したとされる。以来約350年にわたり青森県弘前市を中心に連綿と伝承されてきた。幾重にも漆を塗り重ねて研ぎ出す「研ぎ出し変わり塗り」が最大の特徴であり、唐塗、七々子塗、紋紗塗、錦塗の四つの代表的技法が現在に伝わる。1975年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
津軽塗は四十数回にもわたり漆を塗り重ね、丹念に研ぎ出すことで独特の斑紋模様を生み出す。唐塗は仕掛けベラで意図的に凹凸を付けた上に色漆を重ねて研ぎ出し、複雑な斑模様を表現する代表的技法である。七々子塗は菜種の粒を蒔いて小さな輪紋を規則的に作り出す繊細な技法、紋紗塗は黒漆の上に籾殻の炭粉を蒔いて研ぎ出す渋い味わいの技法である。錦塗は唐塗の上に紋紗や七々子を組み合わせた最も手の込んだ技法で、完成まで約二ヶ月を要する。堅牢さは日本随一と称される。
Process
制作工程
全7工程
- 1
木地作り
ヒバやブナなどの木材をろくろ挽きや指物の技法で器形に成形し、十分に乾燥させて安定した木地を作る
- 2
下地塗り
生漆と地の粉を混合した下地材を数回にわたり塗り重ね、各層の乾燥と研磨を入念に繰り返して堅牢な下地を作る
- 3
仕掛け
唐塗では仕掛けベラで漆面に意図的な凹凸を付け、七々子塗では菜種の粒を蒔いて小さな輪紋の種を作る
- 4
色漆塗重
仕掛けの上に異なる色の漆を四十数回にもわたり計画的に塗り重ね、各層を丁寧に乾燥させて厚い漆膜を形成する
- 5
研ぎ出し
塗り重ねた漆の表面を砥石や炭で丹念に研ぎ出し、下層の色漆が現れて唐塗の斑模様や七々子の輪紋模様を浮かび上がらせる
- 6
上塗り
研ぎ出した表面に仕上げの漆を塗り、模様を保ちながら全体を滑らかな塗膜で覆い深みのある光沢を与える
- 7
最終研磨
最後に細かい炭と砥の粉で全体を磨き上げ、日本随一と称される堅牢さと美しい斑紋模様を完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
工藤 栄吉
伝統工芸士
工藤漆芸
1946年青森県弘前市生まれ。津軽塗の代表的技法である唐塗・七々子塗・紋紗塗・錦塗の全てを習得した数少ない職人。四十八回以上の工程を経て完成する津軽塗の堅牢さと複雑な模様美を、60年にわたり追求し続けてきた。
制作哲学
津軽塗は塗っては研ぎ、研いでは塗る。その繰り返しの中から偶然と必然が交差する唯一無二の模様が生まれる。
“同じ模様は二度と生まれない。それが津軽塗の面白さであり、奥深さです。
成田 凜
若手作家
漆工房 凜
1993年青森県黒石市生まれ。青森県立弘前高等技術専門校の漆器科で基礎を学んだ後、津軽塗の工房で修業を積んだ。唐塗の鮮やかな色彩を活かしたアクセサリーや文具など、若者向けの漆製品を精力的に制作している。
制作哲学
津軽塗の美しい模様をもっと身近に感じてもらえる製品づくりを目指しています。
“研ぎ出した瞬間に現れる模様に毎回感動する、この感覚がある限り続けられます。
FAQ
よくある質問
津軽塗とは何ですか?▼
青森県弘前市を中心に生産される漆器。唐塗や七々子塗など独特の研ぎ出し変わり塗りが特徴。
津軽塗の産地はどこですか?▼
津軽塗は青森県で生産されている漆器です。
津軽塗の技法・特徴は?▼
津軽塗は四十数回にもわたり漆を塗り重ね、丹念に研ぎ出すことで独特の斑紋模様を生み出す。唐塗は仕掛けベラで意図的に凹凸を付けた上に色漆を重ねて研ぎ出し、複雑な斑模様を表現する代表的技法である。七々子塗は菜種の粒を蒔いて小さな輪紋を規則的に作り出す繊細な技法、紋紗塗は黒漆の上に籾殻の炭粉を蒔いて研ぎ出す渋い味わいの技法である。錦塗は唐塗の上に紋紗や七々子を組み合わせた最も手の込んだ技法で、完成まで約二ヶ月を要する。堅牢さは日本随一と称される。
津軽塗はどこで購入・体験できますか?▼
青森県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。青森県の工芸品については青森県の伝統工芸品一覧もご覧ください。