陶磁器
佐渡無名異焼
さどむみょういやき
新潟県佐渡島で産出する無名異土を用いた陶器。独特の赤褐色が特徴。
History
歴史
佐渡無名異焼は新潟県佐渡市で生産される陶器で、佐渡金山から産出する無名異土(酸化鉄を多く含む赤土)を原料とする独特の焼き物である。文政年間(1818年〜)に佐渡の陶工・伊藤赤水の初代が無名異土を用いた焼き物を始めたとされる。無名異とは元来漢方薬として珍重された鉱物で、佐渡金山の坑道内から採取される。明治以降、三浦常山や伊藤赤水の系統が技法を発展させ、昭和54年に伝統的工芸品に指定された。朱泥に似た赤い色合いが特徴的な佐渡を代表する工芸品である。
Technique
技法
佐渡無名異焼は佐渡金山の坑道内で採取される無名異土(酸化鉄を豊富に含む赤褐色の鉱物性粘土)を主原料とする。この土を精製・水簸して粘土状にし、轆轤で成形する。無釉で焼成するのが基本で、約1000度から1200度で焼成し、鉄分による深い朱赤色の素地を活かす。焼成後の仕上げとして「研磨」が重要な工程で、焼き上がった器の表面を砥石や金属のヘラで丹念に磨き上げることで、漆のような艶やかな光沢を生み出す。使い込むほどに色艶が増し、味わいが深まる特性を持つ。
Process
制作工程
全6工程
- 1
原土採取
佐渡金山の坑道内から酸化鉄を豊富に含む赤褐色の鉱物性粘土である無名異土を採取する
- 2
精製
採取した無名異土を水簸して不純物を丁寧に除去し、きめ細かな粘土状に精製して成形可能な状態に整える
- 3
成形
精製した粘土を轆轤に据えて丁寧に挽き上げ、鉄分を含む独特の赤褐色の素地で器の形を作り出す
- 4
乾燥
成形した器を風通しの良い場所で自然乾燥させ、素地全体の水分を均一にゆっくり抜いてひび割れを防止する
- 5
焼成
無釉のまま約1000度から1200度で焼成し、鉄分による深い朱赤色の素地を焼き締める
- 6
研磨
焼き上がった器の表面を砥石や金属ヘラで丹念に磨き上げ、漆のような艶やかな光沢を出す
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
三浦 堅治
伝統工芸士
相川陶房
新潟県佐渡市相川に生まれ、佐渡金山由来の無名異土を用いた焼き物の世界に入る。五十年近くにわたり無名異焼一筋に打ち込み、独特の朱赤色の肌合いと堅牢さを極めた作品を生み出してきた。新潟県の無形文化財保持者にも認定されている。
制作哲学
佐渡金山が残してくれた赤い土は、島の歴史そのものである。その土に敬意を払い、磨き上げることで初めて無名異焼の真の美しさが現れる。
“無名異の土を手に取るたびに、三百年の鉱山の記憶が指先から伝わってくるのです。
本間 遥
若手作家
佐渡島出身。島を離れて東京で会社員として働いていたが、地元の伝統工芸を継承したいとの想いから三十歳でUターンし、無名異焼の工房に弟子入りした。鑢がけによる独特の光沢を現代のプロダクトデザインと融合させた作品で、若い世代からの支持を集めている。
制作哲学
佐渡の自然と歴史が凝縮された無名異土の可能性を、現代の感性で引き出していきたい。
“磨けば磨くほど艶が増す無名異焼は、まるで人の成長のようだと思います。
FAQ
よくある質問
佐渡無名異焼とは何ですか?▼
新潟県佐渡島で産出する無名異土を用いた陶器。独特の赤褐色が特徴。
佐渡無名異焼の産地はどこですか?▼
佐渡無名異焼は新潟県で生産されている陶磁器です。
佐渡無名異焼の技法・特徴は?▼
佐渡無名異焼は佐渡金山の坑道内で採取される無名異土(酸化鉄を豊富に含む赤褐色の鉱物性粘土)を主原料とする。この土を精製・水簸して粘土状にし、轆轤で成形する。無釉で焼成するのが基本で、約1000度から1200度で焼成し、鉄分による深い朱赤色の素地を活かす。焼成後の仕上げとして「研磨」が重要な工程で、焼き上がった器の表面を砥石や金属のヘラで丹念に磨き上げることで、漆のような艶やかな光沢を生み出す。使い込むほどに色艶が増し、味わいが深まる特性を持つ。
佐渡無名異焼はどこで購入・体験できますか?▼
新潟県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。新潟県の工芸品については新潟県の伝統工芸品一覧もご覧ください。