木工品・竹工品
都城大弓
みやこのじょうだいきゅう
宮崎県都城市で生産される和弓。竹と木を組み合わせた伝統的な弓の国内主要産地。
History
歴史
都城大弓は宮崎県都城市で製作される竹弓で、その歴史は平安時代にまで遡るとされる。都城盆地は良質な真竹とハゼノキが豊富に産出し、古くから弓の製造が行われていた。戦国時代には島津氏の薩摩藩で武器として重用され、江戸時代には弓道の普及とともに需要が拡大した。現在、都城は日本の竹弓生産量の約九割を占める最大の産地である。1994年に国の伝統的工芸品に指定。武道具としての機能性と竹の美しさを兼ね備えた伝統的な弓づくりが今も受け継がれている。
Technique
技法
都城大弓は真竹とハゼノキを主材料とし、竹と木を貼り合わせた複合構造で製作される。まず真竹を割って火であぶりながら油抜きし、数年間乾燥させる。ハゼノキの芯材と竹を膠で接着し、外竹・内竹で芯材を挟む三層構造に仕上げる。この組み合わせにより、竹の弾力性と木の復元力が相乗効果を発揮する。弓は約220センチの長さがあり、握りの位置を下寄りにする日本弓独特の形状を持つ。仕上げには籐を巻き、漆を塗って耐久性と美観を高める。全工程は約半年を要する手作業である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
竹材準備
真竹を割って火であぶりながら油抜きを行い、数年間乾燥させて弓材に適した状態にする
- 2
芯材加工
ハゼノキの芯材を弓の長さと形状に合わせて削り出し、弓の中心となる木芯を作る
- 3
合わせ張り
ハゼノキの芯材を外竹と内竹で挟み、膠で接着して竹と木の三層構造に貼り合わせる
- 4
成形矯正
貼り合わせた弓材を約二百二十センチの長さに削り整え、日本弓独特の弧形に矯正する
- 5
握り調整
弓の握り位置を下寄りに設定し、射手の手に馴染むよう丁寧に形状を調整する
- 6
籐巻き
弓の表面に籐を巻き付けて補強と装飾を施し、握りやすさと耐久性を高める
- 7
漆仕上げ
弓全体に漆を塗って防水性と美観を高め、弦を張って調子を確認し完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
黒木 弓雄
伝統工芸士
黒木弓具製作所
1945年宮崎県都城市生まれ。都城大弓の製造に70年近く携わる弓師の最長老。真竹と櫨の木を組み合わせた伝統的な製法を守り、弓道家から高い評価を受ける弓を作り続けている。全日本弓道連盟から功労賞を受け、後進の弓師育成にも情熱を注ぐ。
制作哲学
弓は射手の心を映す鏡である。竹と木の力を調和させ、射手の心と一体になる弓を作ることが弓師の道だ。
“良い弓は射手を育てる。弓が射手を正してくれるのです。
外山 龍之介
若手弓師
1992年宮崎県都城市生まれ。大学で弓道部に所属したことをきっかけに、地元の伝統産業である都城大弓の世界に入る。弓師として修業を積みながら、弓道の普及活動にも参加。竹の選定から弓の成り調整まで、一貫した弓づくりの技術を身につけつつある若手弓師として注目されている。
制作哲学
弓道の精神と弓づくりの技を一体のものとして捉え、射手に寄り添う弓を作りたい。
“自分が作った弓で的を射貫く音を聞いたとき、弓師になってよかったと心から思いました。
FAQ
よくある質問
都城大弓とは何ですか?▼
宮崎県都城市で生産される和弓。竹と木を組み合わせた伝統的な弓の国内主要産地。
都城大弓の産地はどこですか?▼
都城大弓は宮崎県で生産されている木工品・竹工品です。
都城大弓の技法・特徴は?▼
都城大弓は真竹とハゼノキを主材料とし、竹と木を貼り合わせた複合構造で製作される。まず真竹を割って火であぶりながら油抜きし、数年間乾燥させる。ハゼノキの芯材と竹を膠で接着し、外竹・内竹で芯材を挟む三層構造に仕上げる。この組み合わせにより、竹の弾力性と木の復元力が相乗効果を発揮する。弓は約220センチの長さがあり、握りの位置を下寄りにする日本弓独特の形状を持つ。仕上げには籐を巻き、漆を塗って耐久性と美観を高める。全工程は約半年を要する手作業である。
都城大弓はどこで購入・体験できますか?▼
宮崎県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。宮崎県の工芸品については宮崎県の伝統工芸品一覧もご覧ください。