陶磁器
三州鬼瓦工芸品
さんしゅうおにがわらこうげいひん
愛知県高浜市周辺で生産される鬼瓦。三河の粘土を使った迫力ある造形が特徴。
History
歴史
三州鬼瓦工芸品は愛知県高浜市を中心とする三河地方で生産される伝統的な鬼瓦である。三州での瓦生産は江戸時代初期の元禄年間(1688年頃)に始まったとされる。良質な粘土が豊富に産出する土地柄を活かし、瓦産業が発展した。特に鬼瓦は鬼師と呼ばれる専門の職人によって一つ一つ手作りで制作され、寺社仏閣や城郭の屋根を飾ってきた。現在、三州は日本の瓦生産量の約7割を占め、鬼瓦工芸品は昭和52年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
三州鬼瓦は三河地方で産出される良質な粘土を原料とする。制作は鬼師が粘土の塊から鬼面や装飾を一つ一つ手彫りで成形する。まず粘土を練り上げて大まかな形を作り、ヘラや小刀などの道具を用いて細部を彫刻していく。鬼の表情や髪の毛一本一本まで精密に表現する高度な技術が求められる。乾燥後、約1100度で焼成し、いぶし銀の独特な色合いに仕上げる。燻化工程で炭素の被膜を形成させることで、耐久性と美しい銀色の光沢を生み出す。
Process
制作工程
全6工程
- 1
土練り
三河地方産の良質な粘土を十分に練り上げ、気泡や異物を取り除いて均質な状態にする
- 2
荒成形
練り上げた粘土の塊から鬼面や装飾の大まかな形を手作業で作り上げ、全体のバランスを整える
- 3
細部彫刻
ヘラや小刀などの道具で鬼の表情や髪の毛一本一本まで精密に彫り込み、迫力ある造形を表現する
- 4
乾燥
彫刻が完成した鬼瓦を日陰で時間をかけてゆっくりと乾燥させ、割れやひびを防止する
- 5
焼成
十分に乾燥させた鬼瓦を窯に入れ、約1100度の高温で焼き締めて堅固な瓦に焼き上げる
- 6
燻化
焼成後に窯内で燻化処理を行い、炭素の被膜を形成させていぶし銀の独特な銀色の光沢を生み出す
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
梶川 武雄
伝統工芸士
梶川鬼瓦工房
愛知県高浜市に生まれ、三州鬼瓦の鬼師として45年以上のキャリアを持つ。神社仏閣の鬼瓦から室内装飾品まで幅広い作品を手がけ、粘土の塊から鬼の表情を削り出す技に定評がある。全国の重要文化財建造物の修復にも携わってきた。
制作哲学
鬼瓦は建物を守る守護神。その威厳と力強さを、一つひとつの作品に魂を込めて表現します。
“屋根の上から街を見守る鬼瓦。その顔に命を吹き込むのが鬼師の仕事です。
水野 隼人
若手作家
水野鬼瓦製作所
愛知県碧南市出身。彫刻を学んだ後、三州鬼瓦の造形力に魅せられ鬼師の道へ。伝統的な鬼瓦の制作技術を学びながら、室内用のオブジェや庭園用の装飾瓦など、現代建築にも調和する鬼瓦工芸品の開発に力を入れている。
制作哲学
鬼瓦のダイナミックな造形は、現代の空間にも力強いアクセントを与えてくれる。
“土を練り、鬼の顔を彫り出す。その瞬間、千年前の鬼師と同じ気持ちになれるのです。
FAQ
よくある質問
三州鬼瓦工芸品とは何ですか?▼
愛知県高浜市周辺で生産される鬼瓦。三河の粘土を使った迫力ある造形が特徴。
三州鬼瓦工芸品の産地はどこですか?▼
三州鬼瓦工芸品は愛知県で生産されている陶磁器です。
三州鬼瓦工芸品の技法・特徴は?▼
三州鬼瓦は三河地方で産出される良質な粘土を原料とする。制作は鬼師が粘土の塊から鬼面や装飾を一つ一つ手彫りで成形する。まず粘土を練り上げて大まかな形を作り、ヘラや小刀などの道具を用いて細部を彫刻していく。鬼の表情や髪の毛一本一本まで精密に表現する高度な技術が求められる。乾燥後、約1100度で焼成し、いぶし銀の独特な色合いに仕上げる。燻化工程で炭素の被膜を形成させることで、耐久性と美しい銀色の光沢を生み出す。
三州鬼瓦工芸品はどこで購入・体験できますか?▼
愛知県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。愛知県の工芸品については愛知県の伝統工芸品一覧もご覧ください。