陶磁器
唐津焼
からつやき
佐賀県唐津市周辺で生産される陶器。素朴で力強い作風と多彩な装飾技法が特徴。
History
歴史
唐津焼は佐賀県唐津市を中心に生産される陶器で、その起源は桃山時代の天正年間(1573年〜)に遡る。文禄・慶長の役(1592年〜)の際に多くの朝鮮陶工が渡来し、技術が飛躍的に発展した。茶の湯の世界で「一楽二萩三唐津」と称されるほど茶陶として珍重され、絵唐津、朝鮮唐津、斑唐津、粉引など多彩な様式が生まれた。最盛期には100以上の窯が操業していたとされる。江戸時代には日用雑器の生産も盛んになり、西日本では焼き物のことを「からつもの」と総称するほど広く普及した。
Technique
技法
唐津焼は鉄分を含む地元の陶土を用い、土味を活かした素朴で力強い表現が特徴である。成形は蹴轆轤や手捻りで行い、大らかで温かみのある造形を生む。絵唐津では鉄絵具で草花や動物を自由闊達に描き、長石釉を掛けて焼成する。朝鮮唐津は黒釉と藁灰釉の掛け分けにより、釉薬が溶け合う美しい景色を生む。斑唐津は藁灰釉が失透して白い斑点を生じたもので、偶発的な窯変の妙味がある。焼成は登り窯で約1250度程度で行い、松割木を燃料とする。
Process
制作工程
全7工程
- 1
土採取
鉄分を含む地元の陶土を採取し、水簸や精製を経て唐津焼特有の素朴で力強い土味を持つ粘土を確保する
- 2
土練り
採取した陶土を水簸・精製した後、十分に練り込んで気泡を除去し成形に適した滑らかな状態に整える
- 3
成形
蹴轆轤や手捻りを用いて器の形を成形し、大らかで温かみのある唐津焼らしい自由な造形を作り上げる
- 4
乾燥
成形した器を風通しの良い日陰で自然乾燥させ、素地全体の水分をゆっくりと均一に抜いて焼成に備える
- 5
絵付け
絵唐津では鉄絵具を用いて草花や動物の姿を自由闊達に描き、素朴で力強い唐津焼特有の文様を施す
- 6
施釉
長石釉や藁灰釉、黒釉などの釉薬を掛け、朝鮮唐津では黒釉と藁灰釉の二種を掛け分けて表現する
- 7
焼成
登り窯で松割木を燃料に約1250度で焼成し、釉薬同士の溶け合いや炎による窯変の景色を生み出す
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
中里 泰山
伝統工芸士
泰山窯
佐賀県唐津市に生まれ、唐津焼の名門窯元で修業を重ねた。絵唐津・斑唐津・朝鮮唐津など多彩な技法を修得し、特に茶陶において「用の美」を体現した作品で高い評価を受けている。四十年以上にわたり唐津焼の伝統を守り続けてきた。
制作哲学
唐津焼は茶の湯とともに育まれた器である。手に取ったときの温もりと、使い込むほどに変化する景色を大切にしたい。
“一楽・二萩・三唐津と称される所以は、使う人の心に寄り添う器だからです。
岸本 結衣
若手作家
福岡県出身。唐津焼に魅せられ佐賀県に移住し、地元の窯元で七年間修業した後に独立。伝統的な絵唐津の技法を基盤に、現代的な絵付けのモチーフを取り入れた食器を制作している。地元のレストランとのコラボレーションでも注目を集めている。
制作哲学
唐津の土と筆の勢いが一体となったとき、絵唐津の本当の力が生まれると信じている。
“鉄絵の筆を走らせる一瞬に、すべてを懸けています。
FAQ
よくある質問
唐津焼とは何ですか?▼
佐賀県唐津市周辺で生産される陶器。素朴で力強い作風と多彩な装飾技法が特徴。
唐津焼の産地はどこですか?▼
唐津焼は佐賀県で生産されている陶磁器です。
唐津焼の技法・特徴は?▼
唐津焼は鉄分を含む地元の陶土を用い、土味を活かした素朴で力強い表現が特徴である。成形は蹴轆轤や手捻りで行い、大らかで温かみのある造形を生む。絵唐津では鉄絵具で草花や動物を自由闊達に描き、長石釉を掛けて焼成する。朝鮮唐津は黒釉と藁灰釉の掛け分けにより、釉薬が溶け合う美しい景色を生む。斑唐津は藁灰釉が失透して白い斑点を生じたもので、偶発的な窯変の妙味がある。焼成は登り窯で約1250度程度で行い、松割木を燃料とする。
唐津焼はどこで購入・体験できますか?▼
佐賀県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。佐賀県の工芸品については佐賀県の伝統工芸品一覧もご覧ください。