常滑焼

陶磁器

常滑焼

とこなめやき

愛知県

愛知県常滑市で生産される陶器。日本六古窯の一つで朱泥の急須が代表的。

History

歴史

常滑焼は愛知県常滑市を中心に生産される陶器で、日本六古窯の一つに数えられる。平安時代末期(12世紀)に始まり、中世には知多半島の丘陵地帯に3000基以上の窯が築かれた日本最大規模の窯業地であった。壺や甕などの大物の生産で知られ、江戸時代後期には中国・宜興の朱泥急須の影響を受けて、急須の生産が始まった。明治時代には土管やタイルなどの近代的な製品も手掛け、工業都市としても発展した。現在は朱泥急須が代表的な製品として全国に知られている。

Technique

技法

常滑焼の代表的な製品である朱泥急須は、酸化鉄を豊富に含む常滑の赤土を原料とする。轆轤で胴を挽き、注口・把手・蓋を別々に成形して接合する。無釉で焼成し、約1100度の酸化焼成により鮮やかな朱赤色を発色させる。焼締めの表面は使い込むほどに艶が増し、茶の渋みを吸着して味をまろやかにするとされる。急須の茶漉しはセラメッシュと呼ばれる精密な陶製フィルターが開発されている。大物の甕や鉢は紐作りや轆轤で成形し、塩釉や自然釉を用いた伝統的な技法も継承されている。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    土採取

    酸化鉄を豊富に含む常滑の赤土を採取し、水簸や精製を繰り返して朱泥急須用の緻密な粘土を作る

  2. 2

    成形

    轆轤で急須の胴を丁寧に挽き、注口・把手・蓋をそれぞれ別々に成形して精密な部品を一つずつ作る

  3. 3

    茶漉し加工

    胴の内側にセラメッシュと呼ばれる精密な陶製フィルター用の加工を施し、優れた濾過機能を作り出す

  4. 4

    部品接合

    胴体に注口と把手を正確な位置と角度で接合し、蓋との嵌合もミリ単位の精度で調整して組み上げる

  5. 5

    仕上げ

    接合部を滑らかに整え、表面全体をヘラや手で丁寧に磨き上げて朱泥の滑らかで美しい肌を作る

  6. 6

    乾燥

    組み上げた急須を均一にゆっくりと乾燥させ、胴体と注口など部品間の収縮差による歪みや割れを防ぐ

  7. 7

    焼成

    無釉のまま約1100度で酸化焼成し、鉄分により鮮やかな朱赤色を発色させて焼き締める

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

村田 朱泥

伝統工芸士

朱泥庵

愛知県常滑市に生まれ、常滑焼の朱泥急須の制作一筋に四十五年を捧げてきた。鋳込みではなく手挽きのロクロにこだわり、一つ一つ手作業で仕上げる急須は茶の味を格段に引き立てると茶人から高い評価を受けている。常滑焼の伝統工芸士として後進の育成にも尽力している。

制作哲学

常滑の朱泥は、お茶を美味しくするために生まれた土である。急須の機能美を極めることが、私の生涯の仕事である。

急須の蓋を合わせたときの『カチッ』という音が、職人の技量を物語ります。

榊原 瑠奈

若手作家

榊原陶房

愛知県出身。名古屋芸術大学で陶芸を学んだ後、常滑市のINAXライブミュージアムでの研修を経て、常滑焼の制作を始めた。伝統的な朱泥の急須に加え、常滑の土を使った現代的なティーウェアやコーヒー器具を制作している。日本茶だけでなく多様な飲み物に対応した器の提案が注目を集めている。

制作哲学

常滑焼の機能美を、現代のお茶文化やコーヒー文化に拡張していきたい。

常滑の土で淹れたお茶のまろやかさを、一人でも多くの人に体験してほしいのです。

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FAQ

よくある質問

常滑焼とは何ですか?

愛知県常滑市で生産される陶器。日本六古窯の一つで朱泥の急須が代表的。

常滑焼の産地はどこですか?

常滑焼愛知県で生産されている陶磁器です。

常滑焼の技法・特徴は?

常滑焼の代表的な製品である朱泥急須は、酸化鉄を豊富に含む常滑の赤土を原料とする。轆轤で胴を挽き、注口・把手・蓋を別々に成形して接合する。無釉で焼成し、約1100度の酸化焼成により鮮やかな朱赤色を発色させる。焼締めの表面は使い込むほどに艶が増し、茶の渋みを吸着して味をまろやかにするとされる。急須の茶漉しはセラメッシュと呼ばれる精密な陶製フィルターが開発されている。大物の甕や鉢は紐作りや轆轤で成形し、塩釉や自然釉を用いた伝統的な技法も継承されている。

常滑焼はどこで購入・体験できますか?

愛知県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。愛知県の工芸品については愛知県の伝統工芸品一覧もご覧ください。