岩谷堂箪笥

木工品・竹工品

岩谷堂箪笥

いわやどうたんす

岩手県

岩手県奥州市で生産される箪笥。漆塗りと手打ち金具による重厚な作りが特徴。

History

歴史

岩谷堂箪笥は岩手県奥州市江刺区岩谷堂地方で製作される箪笥で、平泉文化が栄えた平安時代末期の藤原清衡の時代に起源を持つとされる。本格的な発展は江戸時代後期で、岩谷堂城主・岩城氏が家臣の副業として箪笥製造を奨励した。木地・漆塗り・金具の三つの技術が融合し、特に南部鉄器の伝統を受け継ぐ手打ち鍛造金具が最大の特徴となった。1982年に国の伝統的工芸品に指定。平泉の金色堂に通じる東北の職人技が凝縮された重厚な箪笥として評価が高い。

Technique

技法

岩谷堂箪笥はケヤキやキリを主材とし、木地・漆塗り・金具製作の三工程で作られる。木地はケヤキの厚板を用い、ほぞ組みで堅牢に組み上げる。漆塗りは木目を活かす木地呂塗りや、鮮やかな朱塗りなど複数の技法がある。最大の特徴である金具は、南部鉄の板を手打ちで成形し、透かし彫りや毛彫りで龍、鳳凰、唐草などの文様を打ち出す。一棹に使われる金具は数十個に及び、その重量感と精緻な装飾が箪笥全体に荘厳な風格を与える。金具だけで数ヶ月を要する手仕事である。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    木地作り

    ケヤキやキリの厚板を精密に加工し、ほぞ組みで接合して堅牢な箪笥の箱体を組み上げる

  2. 2

    引出し製作

    桐材を用いて引き出しを組み、鉋で精密に仕上げて滑らかな開閉と気密性を確保する

  3. 3

    木地調整

    組み上がった箪笥全体の木地を鉋とヤスリで丁寧に整え、漆塗りの下地を作る

  4. 4

    漆塗り

    木目を活かす木地呂塗りや鮮やかな朱塗りなどの技法で、複数回漆を塗り重ねて仕上げる

  5. 5

    金具鍛造

    南部鉄の板を炭火で熱し、鋤や鑿で手打ち成形して箪笥用の金具を一つずつ鍛造する

  6. 6

    金具彫刻

    鍛造した金具に透かし彫りや毛彫りで龍、鳳凰、唐草などの精緻な文様を打ち出す

  7. 7

    金具取付

    数十個の手打ち金具を箪笥本体に正確に配置し、取り付けて荘厳な風格を完成させる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

菊池 正人

伝統工芸士

菊池指物工房

1951年岩手県奥州市江刺区生まれ。岩谷堂箪笥の指物師として50年以上のキャリアを持つ。欅や桐の木地づくりから、南部鉄器の金具取り付け、漆塗りまでの工程を熟知し、堅牢かつ美しい箪笥を作り続けている。岩手県卓越技能者として表彰を受けた。

制作哲学

百年使える箪笥を作ることが職人の本懐である。木と鉄と漆が一体となったとき、岩谷堂箪笥は完成する。

箪笥は家族とともに年を重ね、代々受け継がれるものでなければならない。

千葉 拓海

若手職人

1993年岩手県一関市生まれ。工業高校で木工技術の基礎を学んだ後、岩谷堂箪笥の製造会社に入社。木地師として修業を積みながら、金具職人や漆職人との共同作業を通じて箪笥づくりの全体像を学んでいる。地域の小中学校での体験教室の講師も務める。

制作哲学

先人が築いた技術を確実に身につけ、現代の住空間に馴染む岩谷堂箪笥を提案したい。

木目を読み、鉋をかける瞬間が一番好きです。木が応えてくれる感覚がたまらない。

岩谷堂箪笥をもっと楽しむ

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FAQ

よくある質問

岩谷堂箪笥とは何ですか?

岩手県奥州市で生産される箪笥。漆塗りと手打ち金具による重厚な作りが特徴。

岩谷堂箪笥の産地はどこですか?

岩谷堂箪笥岩手県で生産されている木工品・竹工品です。

岩谷堂箪笥の技法・特徴は?

岩谷堂箪笥はケヤキやキリを主材とし、木地・漆塗り・金具製作の三工程で作られる。木地はケヤキの厚板を用い、ほぞ組みで堅牢に組み上げる。漆塗りは木目を活かす木地呂塗りや、鮮やかな朱塗りなど複数の技法がある。最大の特徴である金具は、南部鉄の板を手打ちで成形し、透かし彫りや毛彫りで龍、鳳凰、唐草などの文様を打ち出す。一棹に使われる金具は数十個に及び、その重量感と精緻な装飾が箪笥全体に荘厳な風格を与える。金具だけで数ヶ月を要する手仕事である。

岩谷堂箪笥はどこで購入・体験できますか?

岩手県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。岩手県の工芸品については岩手県の伝統工芸品一覧もご覧ください。