木工品・竹工品
大館曲げわっぱ
おおだてまげわっぱ
秋田県大館市で秋田杉を曲げて作る木製容器。軽くて美しい木目が特徴。
History
歴史
大館曲げわっぱは秋田県大館市に伝わる曲げ物の木工品で、約1300年前の奈良時代には既に存在したとされる。大館地方は天然秋田杉の産地であり、この良質な杉材を薄く剥いで曲げる技法が古くから発達した。江戸時代には秋田藩が下級武士の副業として奨励し、産業として確立された。弁当箱やおひつなど日常の食器として広く普及し、1980年に国の伝統的工芸品に指定された。秋田杉の美しい木目と香り、軽さと実用性を兼ね備えた日本を代表する曲げ物工芸品である。
Technique
技法
大館曲げわっぱは天然秋田杉の柾目板を主材料とする。杉板を適切な厚さに削り、熱湯に浸して柔らかくした後、木型に沿って手で曲げて成形する。曲げた板の合わせ目は山桜の樹皮で綴じ、底板をはめ込んで固定する。杉の柾目は曲げに適した繊維方向を持ち、割れにくい特性がある。仕上げには無塗装の白木仕上げと、ウレタン塗装や漆塗りがある。白木仕上げは杉の調湿効果によりご飯の余分な水分を吸収し、冷めても美味しさを保つという機能的な利点がある。
Process
制作工程
全7工程
- 1
木取り
天然秋田杉の丸太から柾目に沿って板を切り出し、適切な厚さに鉋で削り整える
- 2
煮沸軟化
杉の柾目板を熱湯に浸して繊維を柔らかくし、曲げ加工に適した柔軟性を与える
- 3
曲げ成形
柔らかくなった板を木型に沿わせて手で曲げ、楕円や円形の側面を一枚の板から成形する
- 4
樺綴じ
曲げた板の合わせ目を山桜の樹皮で縫い綴じ、接合部を強固かつ美しく固定する
- 5
底板嵌め
側面の下部に溝を彫り、杉の底板を正確にはめ込んで容器の形を完成させる
- 6
乾燥調整
組み上げた器を自然乾燥させ、木材の含水率を安定させて歪みの発生を防ぐ
- 7
仕上げ塗装
白木のまま仕上げるか、ウレタン塗装や漆塗りを施して耐久性と美観を高める
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
佐藤 利一
三代目
佐藤曲物工房
1948年秋田県大館市生まれ。祖父が創業した曲げわっぱ工房を三代にわたり守り続けている。天然秋田杉の特性を知り尽くし、薄く削った板を熱湯で曲げる伝統技法に類まれな技術を持つ。全国伝統的工芸品展において内閣総理大臣賞を受賞。
制作哲学
秋田杉の木目の美しさと香りを最大限に引き出すことが、曲げわっぱ職人の使命である。自然の恵みに感謝し、一つひとつ丁寧に仕上げる。
“杉の香りが食を引き立てる――それが曲げわっぱの一番の調味料です。
小野寺 真希
若手職人
1995年秋田県北秋田市生まれ。地元の高校卒業後、大館曲げわっぱの製作所に入所。木工への情熱と繊細な手仕事への適性が評価され、若くして一人前の職人として認められた。SNSを通じた情報発信にも積極的で、若い世代への曲げわっぱの魅力発信に貢献している。
制作哲学
日々の食卓に寄り添う道具だからこそ、使う人の笑顔を想像しながら作りたい。
“曲げわっぱでご飯を食べると、お弁当の時間が特別なものになるんです。
FAQ
よくある質問
大館曲げわっぱとは何ですか?▼
秋田県大館市で秋田杉を曲げて作る木製容器。軽くて美しい木目が特徴。
大館曲げわっぱの産地はどこですか?▼
大館曲げわっぱは秋田県で生産されている木工品・竹工品です。
大館曲げわっぱの技法・特徴は?▼
大館曲げわっぱは天然秋田杉の柾目板を主材料とする。杉板を適切な厚さに削り、熱湯に浸して柔らかくした後、木型に沿って手で曲げて成形する。曲げた板の合わせ目は山桜の樹皮で綴じ、底板をはめ込んで固定する。杉の柾目は曲げに適した繊維方向を持ち、割れにくい特性がある。仕上げには無塗装の白木仕上げと、ウレタン塗装や漆塗りがある。白木仕上げは杉の調湿効果によりご飯の余分な水分を吸収し、冷めても美味しさを保つという機能的な利点がある。
大館曲げわっぱはどこで購入・体験できますか?▼
秋田県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。秋田県の工芸品については秋田県の伝統工芸品一覧もご覧ください。