陶磁器
京焼・清水焼
きょうやき・きよみずやき
京都で生産される陶磁器の総称。多彩な技法と優美な装飾が特徴。
History
歴史
京焼・清水焼は京都市を中心に生産される陶磁器の総称である。京都での焼き物生産は桃山時代に遡り、慶長年間(1596年〜)に粟田口や清水坂周辺で本格的な窯業が始まった。17世紀後半、野々村仁清が御室窯で華麗な色絵陶器を完成させ、その弟子の尾形乾山が装飾的な作風を発展させた。江戸後期には奥田頴川が京都で初めて磁器の焼成に成功し、青木木米、仁阿弥道八、永楽保全らの名工が輩出された。多様な技法と洗練された意匠で日本陶磁器の最高峰とされている。
Technique
技法
京焼・清水焼は特定の土や技法に限定されず、陶器・磁器の双方を含む多彩な技法が特徴である。仁清以来の色絵技法では、素焼きの素地に赤・青・緑・金・銀などの上絵具で絵付けを施す。交趾釉、染付、粉引、鉄絵、練込みなど多様な装飾技法が用いられる。成形は轆轤挽きを基本とし、手捻りや型成形も行われる。釉薬の調合や焼成温度の管理に高度な知識が求められ、各窯元が独自の技法と意匠を継承している。京都の文化的土壌が育んだ繊細で雅な美意識が作品に反映されている。
Process
制作工程
全8工程
- 1
素地調合
陶器・磁器の別に応じて陶土や磁器土を選定し、各窯元独自の配合で素地となる土を調合する
- 2
成形
轆轤挽きを基本に手捻りや型成形も用いて器を成形し、京都の雅な美意識を反映した形を作る
- 3
素焼き
乾燥させた器を約800度で素焼きし、絵付けや釉薬が定着しやすい下地となる素地を焼き上げる
- 4
下絵付け
染付の場合は呉須で文様を描き、鉄絵の場合は鉄顔料で絵付けを行い、施釉前の装飾を施す
- 5
施釉
交趾釉や灰釉など多彩な釉薬を器に掛け、窯元ごとに受け継がれた独自の調合で個性ある表情を作る
- 6
本焼き
窯の温度を精密に管理しながら高温で本焼きし、釉薬と素地が一体となった堅固な器に焼き上げる
- 7
上絵付け
仁清以来の色絵技法で赤・青・緑・金・銀の上絵具を用い、華やかで繊細な京の文様を描き上げる
- 8
上絵焼成
約800度で上絵焼成を行い、色鮮やかな上絵具を定着させて京焼ならではの雅な美しさに仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
清水 六兵衛
伝統工芸士
清水窯
京都市東山区に生まれ、京焼・清水焼の陶芸家として50年以上のキャリアを誇る。色絵、染付、金彩など多彩な装飾技法を駆使し、茶道具から食器まで幅広い作品を手がける。京都の美意識を体現する作品は、茶道家や料理人から高い評価を受け、海外の美術館にも収蔵されている。
制作哲学
京焼は京都千年の文化が育んだ総合芸術。茶の湯、華道、懐石料理、すべてとつながる器を作ることが京の陶工の使命です。
“京焼の器は、盛る料理、生ける花、点てるお茶と一体になって初めて完成するのです。
伊藤 千夏
若手作家
伊藤陶房
京都市出身。京都市立芸術大学で陶芸を専攻し、清水焼の多彩な技法と京都の美意識に深く共感して陶芸の道へ。伝統的な色絵や交趾焼の技法を学びつつ、北欧デザインの影響を取り入れたモダンな食器シリーズが注目を集めている。
制作哲学
京焼の懐の深さがあれば、世界中のどんなテーブルにも合う器が作れる。その可能性を追求し続けたい。
“京都で焼き物をするということは、千年の美の系譜の中に自分を置くということ。身が引き締まります。
FAQ
よくある質問
京焼・清水焼とは何ですか?▼
京都で生産される陶磁器の総称。多彩な技法と優美な装飾が特徴。
京焼・清水焼の産地はどこですか?▼
京焼・清水焼は京都府で生産されている陶磁器です。
京焼・清水焼の技法・特徴は?▼
京焼・清水焼は特定の土や技法に限定されず、陶器・磁器の双方を含む多彩な技法が特徴である。仁清以来の色絵技法では、素焼きの素地に赤・青・緑・金・銀などの上絵具で絵付けを施す。交趾釉、染付、粉引、鉄絵、練込みなど多様な装飾技法が用いられる。成形は轆轤挽きを基本とし、手捻りや型成形も行われる。釉薬の調合や焼成温度の管理に高度な知識が求められ、各窯元が独自の技法と意匠を継承している。京都の文化的土壌が育んだ繊細で雅な美意識が作品に反映されている。
京焼・清水焼はどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。