薩摩焼

陶磁器

薩摩焼

さつまやき

鹿児島県

鹿児島県で生産される陶磁器。白薩摩と黒薩摩の二系統があり華麗な装飾が特徴。

History

歴史

薩摩焼は鹿児島県で生産される陶磁器の総称である。文禄・慶長の役(1592年〜)の際に島津義弘が連れ帰った朝鮮陶工によって始められた。大きく白薩摩(白もん)と黒薩摩(黒もん)に分類される。白薩摩は藩主への献上品として精緻な色絵や金彩が施された豪華な作品で、幕末から明治にかけて海外に輸出されジャポニスムブームを牽引した。黒薩摩は庶民の日用雑器として黒釉の素朴な器が作られた。苗代川(現日置市美山)を中心に約420年の歴史を持つ。

Technique

技法

薩摩焼は白薩摩と黒薩摩で技法が大きく異なる。白薩摩は白い陶土を用い、素焼き後に透明釉を掛けて約1100度で焼成する。表面に細かい貫入が生じ、その上に赤・金・緑・紫などの上絵具で精緻な文様を描く。金彩を多用した華麗な装飾が特徴で、人物や花鳥が細密に描かれる。黒薩摩は鉄分の多い陶土に黒釉を掛け、約1250度で焼成する。素朴で力強い風合いが特徴で、焼酎を飲むための「黒ぢょか」や「そらきゅう」などの酒器が代表的な製品である。

Process

制作工程

8工程

  1. 1

    原料選別

    白薩摩には純白の陶土、黒薩摩には鉄分の多い陶土をそれぞれ選別し、二種類の異なる原料を準備する

  2. 2

    成形

    轆轤挽きや手捻りで器の形を丁寧に作り、白薩摩は繊細で優美に、黒薩摩は力強い造形に仕上げる

  3. 3

    乾燥

    成形した器を十分な時間をかけて乾燥させ、素地の水分を均一に除去して焼成時の割れや歪みを防ぐ

  4. 4

    素焼き

    乾燥した素地を低温で素焼きし、白薩摩は上絵付けに、黒薩摩は施釉に適した状態に焼き締める

  5. 5

    施釉

    白薩摩には透明釉を、黒薩摩には漆黒の黒釉をそれぞれ掛け、焼き物の特性に応じた釉掛けを行う

  6. 6

    本焼き

    白薩摩は約1100度、黒薩摩は約1250度で焼成し、白薩摩には細かい貫入を生じさせる

  7. 7

    上絵付け

    白薩摩の貫入の上から赤・金・緑・紫の上絵具で人物や花鳥の精緻な文様を金彩を多用して描き込む

  8. 8

    上絵焼成

    上絵付けを施した白薩摩を低温で再度焼成し、華麗な色絵と金彩を素地に定着させて完成品とする

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

沈 壽官

伝統工芸士

壽官陶苑

鹿児島県日置市に生まれ、薩摩焼の白薩摩(白もん)の繊細な細工と金彩を五十年にわたり極めてきた。透かし彫りや浮き彫りの技法に卓越し、その精緻な仕上がりは国内外のコレクターから高い評価を受けている。鹿児島県の無形文化財保持者として、薩摩焼の伝統継承に尽力している。

制作哲学

薩摩焼の白もんが持つ繊細な美は、日本の工芸の粋である。一つの器に惜しみなく技を注ぎ込むことが、薩摩焼の誇りである。

白薩摩の肌に金彩を施す瞬間、四百年の伝統の重みを筆先に感じます。

東郷 あかり

若手作家

東郷陶房

鹿児島県出身。京都市立芸術大学で陶芸を学んだ後、鹿児島に戻り薩摩焼の修業を始めた。白薩摩の伝統的な技法を基盤に、現代的なモチーフの絵付けや新しい形の茶器を制作している。黒薩摩(黒もん)の素朴な美しさにも着目し、日常使いの器として黒薩摩の普及にも取り組んでいる。

制作哲学

薩摩焼の白と黒、二つの表情を現代の暮らしに届けたい。

薩摩の土と火山灰の釉薬が出会うとき、鹿児島の大地の力を感じます。

薩摩焼をもっと楽しむ

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FAQ

よくある質問

薩摩焼とは何ですか?

鹿児島県で生産される陶磁器。白薩摩と黒薩摩の二系統があり華麗な装飾が特徴。

薩摩焼の産地はどこですか?

薩摩焼鹿児島県で生産されている陶磁器です。

薩摩焼の技法・特徴は?

薩摩焼は白薩摩と黒薩摩で技法が大きく異なる。白薩摩は白い陶土を用い、素焼き後に透明釉を掛けて約1100度で焼成する。表面に細かい貫入が生じ、その上に赤・金・緑・紫などの上絵具で精緻な文様を描く。金彩を多用した華麗な装飾が特徴で、人物や花鳥が細密に描かれる。黒薩摩は鉄分の多い陶土に黒釉を掛け、約1250度で焼成する。素朴で力強い風合いが特徴で、焼酎を飲むための「黒ぢょか」や「そらきゅう」などの酒器が代表的な製品である。

薩摩焼はどこで購入・体験できますか?

鹿児島県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。鹿児島県の工芸品については鹿児島県の伝統工芸品一覧もご覧ください。