漆器
鳴子漆器
なるこしっき
宮城県大崎市鳴子で生産される漆器。木地呂塗りや竜文塗りが特徴。
History
歴史
鳴子漆器は江戸時代初期の寛永年間(1624年頃)、岩出山藩の藩主・伊達敏親が京都や江戸から塗師を招聘して漆器製造を始めたことに起源を持つ。鳴子温泉郷を訪れる湯治客向けの土産品として発展し、東北地方の代表的な漆器産地として知られるようになった。木地挽きの伝統は鳴子こけしの製作とも共通する技術基盤を持っている。江戸時代を通じて実用的な日用漆器の生産が続けられ、1991年に伝統的工芸品に指定された。宮城県大崎市鳴子温泉を中心に生産が続いている。
Technique
技法
鳴子漆器はブナやトチ、ケヤキなど地元の山林から産出される良質な木材を木地に使用し、ろくろ挽きの技術で椀や鉢などを丁寧に成形する。下地には炭粉と生漆を混ぜ合わせた炭粉下地を施し、堅牢な塗膜の基礎を作る。塗りの技法では木地呂塗と竜文塗が鳴子独特の技法として知られる。木地呂塗は透漆を幾層にも塗り重ねて木目の美しさを活かす技法で、竜文塗は複数の色漆を塗り重ねた後にお茶やミョウバンの溶液で化学変化させ独特の模様を生み出す。素朴で温かみのある風合いが魅力である。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木地作り
ブナやトチ、ケヤキなど地元産の良質な木材をろくろ挽きの技術で椀や鉢などの形に丁寧に成形する
- 2
炭粉下地
炭粉と生漆を混ぜ合わせた鳴子独特の下地材を木地に塗り重ね、堅牢な塗膜の基礎を丁寧に作る
- 3
中塗り
下地の上に精製漆を均一に塗り、乾燥後に砥石で研磨して上塗り技法のための平滑な表面を整える
- 4
上塗り
木地呂塗では透漆を幾層にも塗り重ねて木目を活かし、竜文塗では複数の色漆を計画的に塗り重ねる
- 5
竜文変化
竜文塗ではお茶やミョウバンの溶液を塗面に施し、化学変化を利用して漆面に独特の斑紋模様を生み出す
- 6
仕上げ
木地呂塗は磨き上げて木目の美しさを引き立て、竜文塗は独特の模様を保護して素朴で温かみある漆器に完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
早坂 義一
伝統工芸士
早坂木地工房
1950年宮城県大崎市鳴子温泉生まれ。鳴子漆器の木地師として、栃や欅を用いたろくろ挽きを50年以上にわたり続けてきた。鳴子独自の木地呂塗りと龍文塗りの技法を守り、温泉地の土産物としても親しまれる漆器を作り続けている。
制作哲学
鳴子の山が育てた木を、鳴子の温泉の湿気が漆を乾かす。この土地だからこそ生まれる漆器がある。
“温泉と漆器は鳴子の二つの宝。どちらも人の心を温めるものです。
阿部 梨沙
若手作家
1996年宮城県仙台市生まれ。東北工業大学でデザインを学んだ後、鳴子の漆器工房に弟子入りした。鳴子漆器の素朴な温かみに惹かれ、温泉街を訪れる観光客にも手に取ってもらえるような日常使いの漆器を中心に制作している。
制作哲学
鳴子を訪れた人に、漆器を通して東北の手仕事の温もりを持ち帰ってほしい。
“鳴子のお湯のように、人の心をほっと温める漆器を作りたいと思っています。
FAQ
よくある質問
鳴子漆器とは何ですか?▼
宮城県大崎市鳴子で生産される漆器。木地呂塗りや竜文塗りが特徴。
鳴子漆器の産地はどこですか?▼
鳴子漆器は宮城県で生産されている漆器です。
鳴子漆器の技法・特徴は?▼
鳴子漆器はブナやトチ、ケヤキなど地元の山林から産出される良質な木材を木地に使用し、ろくろ挽きの技術で椀や鉢などを丁寧に成形する。下地には炭粉と生漆を混ぜ合わせた炭粉下地を施し、堅牢な塗膜の基礎を作る。塗りの技法では木地呂塗と竜文塗が鳴子独特の技法として知られる。木地呂塗は透漆を幾層にも塗り重ねて木目の美しさを活かす技法で、竜文塗は複数の色漆を塗り重ねた後にお茶やミョウバンの溶液で化学変化させ独特の模様を生み出す。素朴で温かみのある風合いが魅力である。
鳴子漆器はどこで購入・体験できますか?▼
宮城県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。宮城県の工芸品については宮城県の伝統工芸品一覧もご覧ください。