木工品・竹工品
二風谷イタ
にぶたにいた
北海道平取町二風谷で作られるアイヌ民族伝統の木製盆。独特の彫刻模様が特徴。
History
歴史
二風谷イタは北海道沙流郡平取町二風谷地区に伝わるアイヌ民族の伝統的な木製盆である。アイヌ語で「イタ」は盆を意味し、数百年にわたりアイヌの人々の生活や儀式に用いられてきた。沙流川流域は良質なクルミやカツラの木が豊富で、古くから木工文化が発展した。2013年に国の伝統的工芸品に指定され、アイヌ工芸品として初の指定となった。独特の文様体系を持つアイヌ文化の精神性と美意識を今日に伝える貴重な工芸品である。
Technique
技法
二風谷イタはクルミ、カツラ、ホオノキなどの木材を用いて製作される。丸太から板を切り出し、手斧やマキリ(小刀)で盆の形に成形した後、表面にアイヌ独特の文様を彫り込む。文様はモレウ(渦巻き文)、アイウシ(括弧文)、シク(菱形文)などを組み合わせたもので、左右対称の構成が基本となる。彫刻刀で浮き彫りや沈み彫りの技法を駆使し、一枚の板に立体的な文様を表現する。仕上げにはクルミの油を塗布し、木肌を保護しながら美しい艶を出す。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木材選別
クルミ・カツラ・ホオノキなどの木材から良質な丸太を選び、盆の大きさに合わせて板を切り出す
- 2
板成形
切り出した板を手斧やマキリ(小刀)で盆の形に成形し、縁を立ち上げて器としての形を整える
- 3
表面整え
成形した盆の表面をマキリで平滑に整え、文様を彫り込むための均一な彫刻面を準備する
- 4
文様下書き
モレウ(渦巻き文)・アイウシ(括弧文)・シク(菱形文)を左右対称に配置する図案を盆面に描く
- 5
文様彫刻
彫刻刀で浮き彫りや沈み彫りの技法を駆使し、一枚の板にアイヌ独特の立体的な文様を彫り込む
- 6
油塗り仕上げ
彫り上がった盆にクルミの油を丁寧に塗布し、木肌を保護しながら美しい艶を出して完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
萱野 義雄
伝統工芸士
萱野アイヌ木彫工房
北海道沙流郡平取町二風谷に生まれ、アイヌの木彫り文化を受け継ぐ家系の四代目。盆や皿に施されるアイヌ文様の彫刻技術に優れ、モレウ(渦巻き文様)やアイウシ(刺し文様)を自在に組み合わせた作品は、アイヌ工芸の最高峰として評価されている。
制作哲学
アイヌの文様には先祖から受け継いだ自然への敬意と祈りが込められている。その意味を正しく伝え、彫り続けることが自分の役目。
“木に刻む一本一本の線は、アイヌの先祖たちと交わす静かな対話なのです。
川上 カムイ
若手作家
二風谷彫刻工房 ペケレ
北海道平取町に生まれ育ち、幼少期から祖母にアイヌ文化を教わる。札幌の美術専門学校を卒業後、二風谷に戻り木彫りの技術を本格的に学び始めた。伝統的なイタ(盆)の制作に加え、アイヌ文様を取り入れた現代的なインテリア製品のデザインにも取り組んでいる。
制作哲学
アイヌ文化の誇りを胸に、二風谷イタの伝統を現代の暮らしの中に息づかせたい。
“アイヌ文様は自然の声を形にしたもの。その美しさを世界中の人に知ってほしい。
FAQ
よくある質問
二風谷イタとは何ですか?▼
北海道平取町二風谷で作られるアイヌ民族伝統の木製盆。独特の彫刻模様が特徴。
二風谷イタの産地はどこですか?▼
二風谷イタは北海道で生産されている木工品・竹工品です。
二風谷イタの技法・特徴は?▼
二風谷イタはクルミ、カツラ、ホオノキなどの木材を用いて製作される。丸太から板を切り出し、手斧やマキリ(小刀)で盆の形に成形した後、表面にアイヌ独特の文様を彫り込む。文様はモレウ(渦巻き文)、アイウシ(括弧文)、シク(菱形文)などを組み合わせたもので、左右対称の構成が基本となる。彫刻刀で浮き彫りや沈み彫りの技法を駆使し、一枚の板に立体的な文様を表現する。仕上げにはクルミの油を塗布し、木肌を保護しながら美しい艶を出す。
二風谷イタはどこで購入・体験できますか?▼
北海道の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。北海道の工芸品については北海道の伝統工芸品一覧もご覧ください。