木工品・竹工品
春日部桐箪笥
かすかべきりたんす
埼玉県春日部市で生産される桐箪笥。優れた防湿性と気密性を持つ衣装収納家具。
History
歴史
春日部桐箪笥は埼玉県春日部市で製作される桐箪笥で、江戸時代初期に日光東照宮造営のために集められた職人たちが定住し、指物技術を伝えたのが起源とされる。春日部周辺は利根川流域に桐が多く自生し、日光街道の宿場町として物流にも恵まれていた。江戸時代後期には箪笥産地として確立し、江戸への出荷が盛んになった。1979年に国の伝統的工芸品に指定。関東を代表する桐箪笥産地として、江戸の粋と実用性を兼ね備えた箪笥作りの伝統が今も息づいている。
Technique
技法
春日部桐箪笥は会津や新潟産の良質な桐材を使用し、数年間のアク抜きと天日乾燥を経て製作される。板の接合は蟻組みやほぞ組みなど釘を使わない伝統技法で、強固かつ美しい仕口を作る。引き出しは精密な鉋仕上げにより気密性が極めて高く、桐の調湿性と相まって衣類の保存に最適な環境を作る。表面は砥の粉と蝋を用いた伝統的な仕上げで、桐の白い木肌を美しく整える。春日部の箪笥は江戸好みのすっきりとした意匠が特徴で、金具も控えめで上品な仕上がりとなっている。
Process
制作工程
全7工程
- 1
桐材準備
会津や新潟産の良質な桐材を数年間かけてアク抜きと天日乾燥を繰り返し、狂いのない材に仕上げる
- 2
板接ぎ
乾燥した桐板をほぞ組みや蟻組みなど釘を使わない伝統技法で接合し、強固な板材を作る
- 3
箱組み
精密に加工した板材を組み合わせ、箪笥の本体となる箱形の構造を蟻組みで堅牢に組み上げる
- 4
引出し製作
鉋で極めて精密に仕上げた引き出しを製作し、一つの引き出しを閉めると他が押し出される気密性を実現する
- 5
砥粉仕上げ
箪笥の表面に砥の粉を塗布して木肌を整え、蝋を擦り込んで桐の白い美しさを引き出す
- 6
金具取付
江戸好みの控えめで上品な金具を選び、引き手や錠前を箪笥本体に丁寧に取り付ける
- 7
最終調整
引き出しの開閉を微調整し、全体の歪みがないか確認して品質検査を行い完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
関根 義明
三代目
関根桐箪笥製作所
1949年埼玉県春日部市生まれ。祖父の代から桐箪笥を手がける家に生まれ、高校卒業後に家業を継ぐ。桐材の目利きから、板の乾燥、組み立て、砥の粉仕上げまで一貫して手がけ、気密性の高い上質な桐箪笥を作り続けている。埼玉県伝統工芸士に認定。
制作哲学
桐は呼吸する木である。その呼吸を止めずに箪笥に仕立てることで、大切な衣類を湿気や虫から守ることができる。
“桐箪笥は嫁入り道具の花形。娘さんの幸せを願いながら一棹一棹仕上げています。
高橋 瑞希
若手職人
1997年埼玉県越谷市生まれ。職業訓練校で家具製作を学んだ後、桐箪笥の奥深さに惹かれて春日部の工房に弟子入り。伝統的な桐箪笥の技術を習得しながら、小ぶりなジュエリーボックスや文箱など、現代の生活に合ったサイズの桐製品の開発にも取り組んでいる。
制作哲学
桐の優しい手触りと機能美を、若い世代にも身近に感じてもらえる作品を目指している。
“桐の白い肌に触れると心が落ち着く。この感覚を多くの人に届けたいんです。
FAQ
よくある質問
春日部桐箪笥とは何ですか?▼
埼玉県春日部市で生産される桐箪笥。優れた防湿性と気密性を持つ衣装収納家具。
春日部桐箪笥の産地はどこですか?▼
春日部桐箪笥は埼玉県で生産されている木工品・竹工品です。
春日部桐箪笥の技法・特徴は?▼
春日部桐箪笥は会津や新潟産の良質な桐材を使用し、数年間のアク抜きと天日乾燥を経て製作される。板の接合は蟻組みやほぞ組みなど釘を使わない伝統技法で、強固かつ美しい仕口を作る。引き出しは精密な鉋仕上げにより気密性が極めて高く、桐の調湿性と相まって衣類の保存に最適な環境を作る。表面は砥の粉と蝋を用いた伝統的な仕上げで、桐の白い木肌を美しく整える。春日部の箪笥は江戸好みのすっきりとした意匠が特徴で、金具も控えめで上品な仕上がりとなっている。
春日部桐箪笥はどこで購入・体験できますか?▼
埼玉県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。埼玉県の工芸品については埼玉県の伝統工芸品一覧もご覧ください。