文具
雲州そろばん
うんしゅうそろばん
島根県奥出雲町で生産される算盤。黒柿の枠と樺の珠による精密な作りが特徴。
History
歴史
雲州そろばんは島根県奥出雲町を中心に生産されるそろばんで、その起源は江戸時代後期の文化年間(1804〜1818年)にさかのぼる。出雲地方の大工であった村上吉五郎が長崎で中国式のそろばんを入手し、これを改良して日本式のそろばんを作ったのが始まりとされる。出雲地方の豊富な木材資源を活かし、そろばん産業が発展した。1987年に伝統的工芸品に指定された。播州そろばんと並ぶ日本の二大そろばん産地の一つである。
Technique
技法
雲州そろばんは枠・珠・軸の三つの主要部品から成り、それぞれ厳選された素材を用いる。枠には黒檀・紫檀・花梨などの堅木を使い、精密に加工して組み上げる。珠には樺や柘植の木材を用い、ろくろで一個ずつ丸く削り出す。珠の形状は上珠と下珠で異なり、指の動きに最適な角度と大きさに仕上げる。軸には煤竹を使用し、珠の動きが滑らかになるよう磨き上げる。すべての部品を正確に組み立て、珠の動きを微調整して完成させる高精度な工芸品である。
Process
制作工程
全6工程
- 1
枠材加工
黒檀・紫檀・花梨などの堅木を厳選し、上枠・下枠・左右枠の部材を精密に加工して組み上げる
- 2
珠作り
樺や柘植の木材を小さなブロックに切り出し、ろくろで一個ずつ丸く削って珠の原形を作る
- 3
珠仕上げ
上珠と下珠をそれぞれ指の動きに最適な角度と大きさに仕上げ、表面を滑らかに研磨する
- 4
軸作り
煤竹を軸に使用し、珠の動きが滑らかになるよう表面を丁寧に磨き上げて所定の長さに切り揃える
- 5
組立て
枠に軸を正確に通して上珠と下珠を所定の位置に配置し、梁板を取り付けてそろばんを組み上げる
- 6
調整仕上げ
珠の動きを一本ずつ確認して滑らかさを微調整し、高精度な計算道具として完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
横田 孝一
伝統工芸士
横田算盤工房
島根県奥出雲町に生まれ、雲州そろばんの産地で代々続く工房の四代目。地元産の黒柿や煤竹を用いた高級そろばんの製作で知られ、特に珠の加工精度と軸の組み立て技術は国内最高峰と評されている。全国珠算教育連盟の推薦品を多数手がけてきた。
制作哲学
そろばんは職人の手で一珠一珠を仕上げてこそ、指先に心地よい確かな感触が生まれる。機械では決して再現できない手仕事の価値を守り続ける。
“良いそろばんは、持った瞬間に指が自然と動き出す。それが手づくりの力です。
安達 理沙
若手職人
島根大学教育学部を卒業後、小学校教員として珠算教育に携わる中で、雲州そろばんの優れた品質に感動し、職人の道へ転身。教育者としての経験を活かし、子ども向けの知育そろばんや、海外輸出向けの雲州そろばんの企画にも取り組んでいる。
制作哲学
教える側と作る側、両方の視点を持つことで、本当に使いやすいそろばんを届けたい。
“子どもたちが雲州そろばんに初めて触れたときの目の輝きが、私の原動力です。
FAQ
よくある質問
雲州そろばんとは何ですか?▼
島根県奥出雲町で生産される算盤。黒柿の枠と樺の珠による精密な作りが特徴。
雲州そろばんの産地はどこですか?▼
雲州そろばんは島根県で生産されている文具です。
雲州そろばんの技法・特徴は?▼
雲州そろばんは枠・珠・軸の三つの主要部品から成り、それぞれ厳選された素材を用いる。枠には黒檀・紫檀・花梨などの堅木を使い、精密に加工して組み上げる。珠には樺や柘植の木材を用い、ろくろで一個ずつ丸く削り出す。珠の形状は上珠と下珠で異なり、指の動きに最適な角度と大きさに仕上げる。軸には煤竹を使用し、珠の動きが滑らかになるよう磨き上げる。すべての部品を正確に組み立て、珠の動きを微調整して完成させる高精度な工芸品である。
雲州そろばんはどこで購入・体験できますか?▼
島根県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。島根県の工芸品については島根県の伝統工芸品一覧もご覧ください。